幸福の鐘
2003/12/12
シネ・アミューズ イースト/ウエスト
俳優として大好きな寺島進さんの主演、待望のSABU監督の映画です。
いつもは切れのいい台詞が飛び出す寺島進さんですが、今回はラストまでは全く無言のまま、
ひたすら歩き続ける男。
その歩き方がいい。ザク、ザクととにかく左手から右手へと歩いていく。
眉間にしわをよせた横顔で前をみつめてひたすら歩く。
胸の内には怒りや困惑が渦巻いているのでしょうが、言葉には出さず無表情でそれを表現している所が素晴らしい。
SABU監督作品はドミノ倒しのようなスピード感あふれる展開が多いなか、歩く、というのは
意外でしたが、観てみるとやっぱりSABUワールドで次々と出会う人々がやはり(ゆっくりとした)ドミノ倒しのように描かれています。
ドミノ倒しのスローモーションを観ているようです。
しかも音楽はほとんど使わず、音または意識的な無音状態。
しかしラストにかけてのじわじわとスピードがアップしていって、たどり着いた先の鐘の音に「小さな幸福」がこもっていました。
女優さんをいつも綺麗に撮るなぁ、と思うのですが、今回はシングル・マザーの篠原涼子・・・終わるまで気がつかないくらいでした。
また、朝日を肩に受ける寺島進さんのシーンは大変美しいですね。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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