ションヤンの酒家(みせ)

ションヤンの酒家(みせ)

2004/02/09

シャンテ・シネ

 

『山の郵便配達』でも描かれていたことですが、この映画も「新しいもの、新しい考え方」の方がいいのか?という疑問を投げかけていると同時に「昔はよかった」的な回顧趣味ではない、というギリギリ瀬戸際の今の中国を見つめています。

それを体現しているのが主人公のションヤンでしょう。

様々な悩みや困難を抱えながらも、自立して働いている。過去にしたかったこと、

出来なかったことを愚痴愚痴言うこともなく、さばさばしています。

女1人で吉慶街という市場で店をやっているくらいですから、やわな優しいだけの女ではなく、気性も激しいし、自分の言い分も通す、売られた喧嘩は買って出る・・・「きつい女」「頑固な女」ともとれますが、自分が守らなければ・・・と思う弱き者への姿勢は出てくる男性がほとんど情けない

ので、「頼もしく、心優しい女」でもあります。

そこら辺のバランスを微妙な手加減をしていて見ていて不快でもないし、共感べたべたにも

ならない距離のとり方、上手いと思います。

ションヤンを演じたタオ・ホン。

目が素晴らしく綺麗で首のラインも美しく(かつたくましく)首の大きくあいたセーターや洋服が似合います。水商売らしい格好をしても下品にならず、黒の皮のジャケットを着ればカジュアルかつスタイリッシュ。

たばこ、が一つの小物としてよく描かれますが、たばこを持つ格好も様になってていやらしくないですね。

女優の魅力を十分引き出している演出(顔だけでなく、手や足のアップも多い)は見ていて気持ちがいいです。 

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更夜飯店

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