チルソクの夏

チルソクの夏

2004/04/21

上野スタームービー

 

1977年と25年後の2002年の夏、が描かれます。

佐々部清監督は、『陽はまた昇る』『半落ち』そしてこの映画もですが、本当の日本人らしい部分を切り取って

じっくりみせるのが上手いと思います。

日本人ならではの共感を強調していて、派手なアクションも劇的な事件も特撮も扱いません。

スローテンポであり、丁寧であり、微笑ましくも切ないです。

1977年の陸上競技にかける女子高生たち、4人組ですが、自分もその時は運動部で、夏の日差しの下マラソンとか

練習とかにあけくれていていました。

女の子たちのあれこれが、なつかしい共感もあるのですが、「こんなことやってたなぁ~」って、

ちょっと照れてしまう所もあり、複雑なノスタルジーを味わいました。それが居心地悪くはないですが、

照れ照れ~~~。

淡い恋をする2人がさわやかな反面、(台詞にもあったように)「ロミオとジュリエットみたいやん」という

日本と韓国のお互いの反対意識の狭間に立つことになる切なさとやるせなさ。

自分達の力ではどうしようもない「圧力」になんとか抵抗しようとする2人を通して、昔は良かっただけでなく、

今は少しであるけれども良くなった、という前向きなラストがとても印象的です。

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