アフガン零年

アフガン零年

2004/04/15

東京都写真美術館ホール

 

復興アフガニスタン第一作、とのことですが、タリバン政権下のひとりの少女を描く事によって、声高でなく、

観客に媚びることなく悲劇を訴えています。その淡々とした厳しい視線がとても力強いです。

女性は、外で働くことは禁じられている、しかし戦争で夫や息子を失ってしまったたくさんの女性たちは

どうすればいいのか。

少女がやむなく少年の格好をして働きに出ることにしても危険が多すぎます。

少女はおびえながらも「生き抜く」

こんなに女の子、泣かすなんて・・・男に泣かされる女の話は多くても、これは社会に女が泣かされている、

その悔しさ。

それって、形をかえても自分たちの中にあるもの。

そして最初は「虹」というタイトルで希望に満ちたものにする予定をあえて変更した、監督の勇気を買います。

一見平和に暮らしている日本人からしたら、信じられない世界、でも結局は対岸の火事。

それを、ハッピーエンドにしてしまったら、よかったねぇ~って安直に安心してしまうでしょう。そして忘れてしまう。

まだ解決していない、今現在も起きている問題を映画にするって作り手の勇気と良識が問われると思うのですが、

牢屋の中で縄跳びをする少女の姿が、いつまでも心に残る・・・そんなラストでした。

この映画を2004年外国語映画賞にした、アメリカ、ゴールデン・グローブ賞のこと、見直しました。

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