花嫁はギャングスター

花嫁はギャングスター

Legend of Unjin

2004/05/12   銀座シネパトスにて 2001年韓国:110分:監督 チョ・ジンギュ

設定はかなりベタです。ベタベタといっていいです。

しかし実に爽快なアクション・コメディーに仕上がっているのは、ヒロイン、ウンジン(シン・ウンギョン)のストイックさをはじめ、脇役皆のキャラクターがユニークで個性がはっきりしていてわかりやすいことと、脚本の上手さ、タイミングの絶妙さ、緩急をわきまえたスピード感が、ほとほと上手くできているから、観ていて楽しい!もっとベタなことやってもいいのに!って思うくらいです。

孤児の時に生き別れになった姉がやっとみつかったものの癌で余命いくばくもなかった・・・姉の願いは妹の結婚した姿が見たい、ということ。

ウンジンは女ながらに50人の敵を倒したという伝説を持つ、ヤクザの親分で組を守ることと、反目している白サメ組との縄張り争いしか知らないのに、いきなり結婚を決意。

舎弟3人をあちこちに走らせて、婿さんを探し出しますが・・・と冒頭の「伝説」の雨の中の迫力の格闘シーンからあれよあれよという間に結婚騒動へ。

そしてやっと見つかったお相手は、お人よしだけが取り柄みたいな35歳の公務員スイル。

男勝りのウンジンと良い人だけどもう、ぼ~っとしているスイルのカン違い・すれ違いぶりってとても可笑しいですし、結婚騒動に走り回る舎弟3人も可笑しい~

特に、笑ったのはスイルが、プロポーズ(その言葉がまた素晴らしくベタ)をしている後ろの暗闇に舎弟3人が潜んでいるのですが、プロポーズを聞いたとたん暗闇に3組の目だけが(アニメで)きら~ん☆

いいひとだけのスイルですけれど、やっぱり韓国の女性はかくあるべし、という気持ちは持っていて家事をしない、夫に尽くさないことへ文句もいいます。

でも、次のシーンでは正座して洗濯物たたんでいたりして・・・「日本昔話」みたいな柄のパジャマもまた、なんともダサくてよろしいです。

また妙に少女趣味のムード作りに熱心・・・でもウンジンにはさっぱり良さがわからないのは、可笑しいというより切ないですね。

このスイル役のパク・サンミョンが、いいんですよね。ハンサムでもなくていい年をして、何の取り柄もないけどとにかくいいひと。

女性が強いコメディとして『猟奇的な彼女』と比較されていますけれど、スイルは(チンピラとケンカしているウンジンを見かけて)「か弱いお嬢さんに暴力はいけない!!!!」っと捨て身で仲裁に入る勇気を持っています。

アクションの(バカバカしい)爆裂ぶりからすると、『火山高』に近いかなぁと思います。

ハリウッドがリメイク権を高額で買ったそうですけど・・・韓国の儒教の家父長制度の強さを覆すっていうのがこの映画のアイディアなので、アメリカ映画にしたってなぁ~もう、こういうのを「宣伝文句」にしても私はうんざりするだけですね。

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