死に花

死に花

2004/05/12   丸の内東映にて

2004年日本:120分:監督 犬童一心

超がつく高級有料老人ホームの老人たちがトンネルを掘って銀行強盗を企てる「穴を掘る」話。

犬童一心監督作品は『金髪の草原』で痴呆で精神だけ若返ってしまった老人、『ジョゼと虎と魚たち』でずばり身体障がい者(今、「害」という字は使いません)

という社会性のあるテーマを若い人たちで映画にしてきたのですが、今回は山崎努、青島幸男、谷啓、宇津井健、長門勇、藤岡琢也他、リアルな実年齢に近い人達を集めて「老人映画」を作りましたね。

冒頭、棺桶の中から始まるところからして、きわどいリアルなことを、飄々と描いていますね。老人の性の問題もサラリときわどくなく・・・でもリアルはリアルなんですが、飄々としてます。役者さんの上手さもあるけれどやはり、リアルでリアルじゃない世界は犬童監督ならでは。

最後の問題と意外な真実っていうのが、また、きわどいところで止めてますね。

ミッキー・カーティス出てくるだろうな・・・と思ったら、いや~ミッキー・カーティスwith喪服ガールズ。そして白桃ばかり食べてる長門勇。こっちがメインの映画も観てみたいのですけれど。

いちばんリアルでリアルじゃないけどブラックだったのは、交番の警官の「え~?銀行が傾いてるぅ~?倒産ですかぁ?そんなことで交番に電話しないでくださいよ」でした。

ちなみに老人ホーム(しかも高級有料ホーム)の職員はあんな言葉使いはしませんよ・・・でも和子ちゃんの「タメ口」って妙に親近感あってああいうのもいいかもって嫌味ではなかったですね。

おまけ:犬童一心監督の『伝説のワニ・ジェイク』は、実はリアルじゃないことリアルにやってる逆バージョンです。こっちも面白いですよ。

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