リアリズムの宿
2004/05/05 シブヤシネマソサエティにて 2003年日本・83分・監督:山下敦弘
キノシタくんとツボイくん、2人の映画青年が、鳥取のさびれた温泉街をひたすら彷徨う。
(原作)つげ義春の漫画らしい「・・・・」というなんともいえない間の取り方が独特。あの雰囲気がいいですね。
なんか、絶句だよなぁ・・・うん・・・・というやりとりがユーモラス。
2人は仲良しって訳でなく、なんとなく常に距離があって、遠慮しているような不信感を持っているような関係。
映画青年らしい、屁理屈のこねあい。
2人がいつもぽつんと風景の中にいる、という雰囲気がいいです。どこへ何をしにいくわけでなくただ、いる。
目的とお金がない心細さ、所在無さ、この2人が立っているだけでわかります。
なんだか情けないような2人の道行きに突然割り込んでくる少女、あっちゃん。
3人の関係もベタベタしていなくていいです。間延びしているようにみえても実は計算された映像、タイミングのの数々なんですね。
細かいところを観ると窓の外の雪景色や雨模様なんかがとても綺麗に撮れています。
海のシーンでは、暗い荒い日本海を目の前にして、なにもしない2人、なのにとても綺麗。
出会う人々もなんか覇気がなくて、のんびりというか、だらだら。この全体を貫くだらだら感がいいのです。
監督の目はさめていて、そんな2人を「ダメじゃん」とタメ口で言い聞かせているような雰囲気なので、ただの我儘な若者群像ではないところ、とてもいいです。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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