列車に乗った男

列車に乗った男

L'HOMME DU TRAIN             

2004/05/05 渋谷ル・シネマにて             2003年フランス・90分・監督パトリス・ルコント

教師を引退して一人大きな屋敷に暮らしている老年男性の前に、流れ者の中年男が現われる・・・全く違う2人がどんどん近づいてクロスする過程を、実に静かに見つめています。

生まれてから死ぬまで同じ土地、家に住み続けることに、安心と不満を持っている目の前に「革ジャンをかっこよく着こなした風来坊」・・・悪人かどうかよりも、憧れが出てきてしまうのですが、その2人の様子はいぶし銀のようです。

過去にやってきたこと、より過去にできなかったあれこれ・・・が悔やまれて仕方ないくすぶった想いが、徐々に表面化してくるのをジャン・ロシュフォールが好演ですね。

また中年の風来坊、ジョニー・アリディも寡黙ながら行動力のある男性・・・これがまた渋い。

寡黙な男と饒舌な男の会話の面白さ、ユーモア・・・お互い年を実感しながらも心を通わせていく脚本がさりげなくて、ユーモアと含蓄にあふれています。

相対する2人とは1人の夢だったのか、現実と夢の狭間、そんなことも感じさせつつ終着点へと向かう監督のさりげなさと

上手さに感心。

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