パピヨンの贈り物

パピヨンの贈り物

Le Papillon

2004年6月2日  銀座テアトルシネマにて 2002年フランス:85分:監督 フィリップ・ミュイル

孤独で頑固な老人、をやらせたら個人的にはミシェル・セローが一番と思っています。『約束 ラ・プロミッセ』の「老人と子供の交流」という点では似ているのですが、この映画の大半の舞台となる南仏の自然がいいですね。緑といってもアジアと違って濃いというより明るい緑。

若くて忙しい母親にほったらかしにされている8歳の少女エルザがアパートの下の階に1人で住み、蝶の標本を集め蝶を飼育している老人と出会い、幻の蝶を探しに出る旅にちゃっかりついてくる。世間では誘拐事件???と大騒ぎ。2人はケンカしながらもイザベルという蝶を探す内親しくなっていく・・・というストーリーは安定したものですが、時間の飛ばし方が上手い。全てを説明するのではなくて、エルザのちゃっかりぶりをちょっと見せて、次には結果こうなりました、という編集が上手いというのでしょうか。

若いお母さんも実は子供のことを思っていてわかりやすい悪者扱いにしていないし、子供には持つことのできない老人という大人の過去の重み、という所さりげない所で出てくるようになっていますのであまり深刻ムードは漂わず、のんびりムード。

老人ジュリアンとエルザのやりとりも蝶や自然のことではなく、若い男女を見て「愛の証を求めるなんて信頼がない。あの2人は長く続かない」「何故、恋に落ちる、と言うの?恋に上がる、でもいいのに」とか恋愛談義をしちゃうあたりはさすがフランスというか、子供を子供扱いしていない大人の余裕。

余談ですが、きれいな蝶だけでなく、ジュリアンは幼虫やさなぎも飼っているので結構、虫さん登場します。

私は虫は大丈夫なのですが、この映画を観た直後、毛虫に刺されて大騒ぎをしたのでタイミング的に先に観ておいてよかったです・・・・

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