ぼくの瞳の光

ぼくの瞳の光

Luce demi miei occhi

2004年7月8日 ユーロスペースにて 2001年イタリア:113分:監督 ジュゼッペ・ピッチョーニ

女手ひとつで冷凍品店を営み、娘を必死に育てている女性が、真面目なハイヤーの運転手の青年と出会う。

これが、すんなりめでたしめでたしに即ならない苦しさを、茶色い落ち着いた映像で綴った苦い物語。

青年は資金繰りに苦しむ女性の為に、影で危ない仕事まで引き受けるのに、自分の目の前にあることしか見えない母である女性にはわかってもらえない苦しさに耐え忍ぶ。

穏やかで苦しい映画ですが、人と人との距離が近づいたり、遠のく緩急が上手いですね。音楽も穏やかだったり、ロックだったりと場面にあわせて緩くなり、激しくなる。

青年のモノローグは常に「自分は異星人であって地球には使命をおびてやってきたのだ・・・」というSF小説のくだりなのですが、青年の虚しさを強調していてとてもいいです。

車から見た街の風景が多く使われていますが、そこにはたくさんの人が歩いている、色々なことをしている中での孤独、がくっきり浮き上がり、接することはないけれど限りなく近くまでいくことのできた2人。とても大人で落ち着いていて、なんともいえない哀愁がとても綺麗でした。

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