バレエ・カンパニー

バレエ・カンパニー

The Company

2004年8月5日  日比谷 シャンテシネにて

(2003年アメリカ=ドイツ:112分:監督 ロバート・アルトマン)

今回、アルトマン監督が選んだのはシカゴの”ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ”の人々。

いろんな人が集まって、あっちでごたごた、こっちであれこれを一遍に描くのが定評なんですけれど、人間ドラマの部分は少なくして、アルトマン監督らしさがうすくなっているのはやはり、バレエの舞台を見せる時間が長いから。なるべくアップはさけて全身をくまなく映すから、手抜きは出来ないし、さすがプロのバレエ・ダンサー達です。

このバレエ団はモダン・バレエなんですね。冒頭のバレエからして抽象的な直線を活かしたバレエで美しいとともにびっくりもします。練習風景があって、リハーサルがあって、本番・・・の繰り返しになっているのですが、どのバレエも独創性にあふれていて、もちろん、バレエの基本が出来てだからこその抽象なんだなぁ。

バレエ団の練習やついて行けない者、怪我したものはどんどん置いて行かれてしまい、常に「代役」がいて、主役を得る厳しさもあんまりキリキリしてなくてむしろ、バレエにかける若者たちのまっすぐな姿・・・裏の苦労をあまり見せません。

しかし、前衛的であるため、ダンサーと振り付け師が意見があわず対立したり、親がなんでも口を出してくるダンサーがいたり・・・そしてこのバレエ団の(チラシでは芸術監督となっているけれども)経営者兼総監督が、ミスターAことマルカム・マクダウェル。言わなければならないことははっきり言う、妥協は許さない、柔軟な考えと頑固さが同居した経営者ぶりっていうのが、時に高慢でもあるのですが、毅然としていて、ダンサーたちにも慕われているという姿がいいです。う~ん、年をとってますますよくなったマルカム・マクダウェル。レッスン場にミスターAしか座らないという暗黙の了解が出来てる白い椅子が印象的。

バレエは主役のネーヴ・キャンベルが吹き替えなしでやっていますが、もちろんバレエ団出身。

ジェームス・フランコとの恋愛も描かれますがあまり恋愛とバレエの葛藤とかは描かれずサラリとながしてます。

音楽もクラッシックからジャズまで巾が広いのですが、私はヨーヨー・マによるバッハの「無伴奏チェロ組曲」のバレエが一番好きです。

天井からブランコのようにたらしたロープに身をまかせて、ワイヤーアクションのような流れるような動きを見せるソロ・バレエでシンプルさが気持ちいいですね。

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