家族のかたち

家族のかたち

Once Upon A Time in The MIdlands

2004年8月6日  日比谷 シャンテシネにて

(2002年イギリス:104分:監督 ショーン・メドウズ)

イギリスの労働者階級ものですね。いつも曇り空のような空、茶色い煉瓦立ての家がくっつくように並んで建っている刺激の少ない中部地方の街。こういう雰囲気大好きなんですね。街に「ビンゴ&カフェ」という皆がビンゴだけやりに集まる店があったり

都会ではない野暮ったさ・・・がとてもいいです。

12歳の娘と2人で暮らしている若い母、シャーリーンにも、優しいけれど気が弱くてちょっと情けないデック(リス・エヴァンス)という恋人がいる。デックは娘のマーリーンも愛していて、娘もデックになついている・・・でも結婚を申し込まれるとためらってしまうシャーリーンのもとに、ロクデナシだかかっこいい元夫ジミー(ロバート・カーライル)が現れて復縁をせまる、という三角関係・・・のような展開。

実は娘のマーリーンというのが、大人たちを冷静に観察していてむしろ四角関係ですね。

労働者階級の人々のあれこれをコミカルに描きながら、血のつながりの家族か、他人でも愛のある家族か・・・そんなフラフラする人々の描き方がなんとも微笑ましい。

一番びっくりしたのは、「いいひと」デックをあのリス・エヴァンスがやっていることですね。

『ノッティングヒルの恋人』のおかしな同居人、スパイキー、『ヒューマン・ネイチャー』の類人猿男、『リトル・ニッキー』の真っ赤な毛皮のコートをなびかせてる地獄の長男、『ケミカル51』の銃の売人・・・エキセントリックな役には欠かせない役者さんでしたが、自動車整備工場を経営する「いいひと」ぶりが観ていてびっくり&納得。

やっぱり色々な役柄が出来る役者さんは強いと思うし、私はそういう人が好きです。ロバート・カーライルの「憎みきれないロクデナシ」っていうのはまぁ、これに限ったことではないので、私的にはやっぱりリス・エヴァンス!もともとはシェイクスピア劇団にいた人だから、古典もこなせる人なんです。

『バレエ・カンパニー』の前衛、抽象バレエがきちんとした基礎に基づいているのと同じように、色々な役ができるのにはきちんとした基礎演技力がないと出来ないと思います。

ただ、顔が綺麗、スタイルがいい、ハンサム、美女、若い・・それだけでは俳優と言えない。そういうのを実証してくれる人が好きなんです。

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