ラブ キル キル

ラブ キル キル

2004年9月22日 渋谷 ユーロスペースにて

(2004年:日本:91分:監督 西村晋也)

エロス番長シリーズの一本ではありますが、エロスというより一風変わったラブ・コメディとみました。

一見、まともな職安相談員の皆川(津田寛治)がひとめぼれした女性(街田しおん)とつきあいたくて後つけるようになる・・・・のですが、そこにひょんなことから知り合ったフリーターの少女、ナオ(愛葉るび)につきまとわれてしまうという皮肉な三角関係。

ナオの出現の仕方がいつも唐突で、皆川がしめしめ・・・と上手くいったと思うと必ずちゃっかり「その場にいる」ナオ。

最初はナオを利用しようとするけれど、だんだんストーカー男がストーカーされて頭を抱えてしまう皮肉。

皆川役の津田寛治がいいですね。小心者で思いこみが激しい。それが後をつけ回すという姑息な手段になるのが納得なおどおど加減。

度量が小さくて自分を鍛えているのか、いじめているのかわからない・・・上手くいけば調子にのるし、上手くいかないとヒステリーを起こす・・・そんな男ですが暗さや嫌味がなく軽く笑えるしぐさや表情が上手いと思います。「さぁ~ビデオ見よう、ビデオ!!」とさわやかに叫ぶ姿に思わず笑いが・・・。コンビニで立ち読みする雑誌が「OZ Wedding」や「My Birthday」というのも可笑しい。

もう1人、ナオを演じた愛葉るび。終始無表情で、コンビニの皆川を鏡で観察して「なにしてるの?」「ストーカー」と答える時の口調や何を考えているのかわからない笑わない目。

そして妙に体力があって力持ち、それがストーカー男なんか相手じゃないよ、というしぶとさにつながって雑草みたいなたくましさ。

それが絶妙なタイミングで出てくるラスト・シーンがとても魅力的。あのラストは意表をつかれましたなぁ~ 

0コメント

  • 1000 / 1000

更夜飯店

過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。