インファナル・アフェア無間序曲

インファナル・アフェア無間序曲

Infernal AffairsⅡ(無間道Ⅱ)

2004年9月22日 銀座シネパトスにて

(2003年:中国(香港):119分:監督 アンドリュー・ラウ、アラン・マック)

ヒット作が公開されて続編や前日譚が作られるのはめずらしくないですし、香港電影黒社会もの・・・もたくさんあります。

しかし、この映画の特徴はその重厚さ。警察からマフィアへ、マフィアから警察へ、お互いに潜入させるという前作の「何故、そういうことになったのか」なのですが、その人間関係がより重厚に、複雑になっているところが見所です。

マフィアから警察官になったラウ(エジソン・チャン:陳冠希)・・・のちのアンディ・ラウ(劉 徳華)、警察学校からマフィアへ潜入したヤン(ショーン・ユー:余文欒)・・・のちのトニー・レオン(梁朝偉)はまだまだ若くて下っ端で、上の警察VS黒社会の対立というのがよく出来ていますよね。

アンソニー・ウォン(黄秋生)とエリック・ツァン(曾志偉)の前作メンバーに加え、カリーナ・ラウ(劉嘉玲)、フランシス・ン(呉鎮宇)、ついでにロイ・チョン(張耀揚)まで・・・出てきて、昨日の友は今日の敵のようなスリリングな掛け合いが繰り広げられます。

若い2人も潜入という厳しい試練の内になんとも鋭い目つきになっていって、それが頼もしいと同時に切ないですね。

香港電影黒社会ものの、刹那的な切なさもヒシヒシと感じられます。

今まで、やさぐれ悪役が多かったフランシス・ンがマフィアながら知性でもってのし上がっていくマフィアのドンを演じていて、目つきが鋭く冷酷さを秘めた冷静さというのが、とても説得力あります。

説得力という点では、今までだとアンソニー・ウォンとエリック・ツァンは逆の役が多かったのに、だんだんそれらしい顔つきになっていくところもいいですし、カリーナ・ラウのビンタはさすがですな。

アンドリュー・ラウ監督は、過去に『欲望の街』シリーズ、『風雲ストームライダーズ』『決戦、紫禁城』『中華英雄』など次々撮っているのですが、ここに出てくる役者さんは若い2人を除いておなじみの、または香港電影では名脇役としてならした人たちが集まっているのが観ていて、涙ものでした。香港電影好きの人は嬉しい悲鳴をあげるはず。

早く三作目、「終極無間」が観たい・・・香港では公開済みですから・・・香港に飛んでいって観たい・・・そこまで思いますよ。

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