Survive Style 5+

Survive Style 5+

2004年9月17日  新宿 明治安田生命ホールにて(試写会)

(2004年:日本:120分:監督 関口現)

これはデフォルメの映画です。

容れ物・・・夫婦(浅野忠信・橋本麗香)、サラリーマン一家(父:岸部一徳、母:麻生祐未、子供2人)、恋人同士(小泉今日子、阿部寛)、コソ泥3人組(津田寛治・森下能幸・JAI WEST)・・・・はありきたりなのに、中身がゆがんでデフォルメされて、原色着色されてへんてこりんで珍味。

彼らの住む家や車の美術が異様なほどデコラティブ。気持ち悪いというか、笑ってしまうというか・・・こんなのないよねぇ~普通・・・というのが次々と出てきます。

台詞もわざとおもしろくない事言って「ね、おもしろいでしょ???」「・・・・つまらないよ」と確信犯的につっこみさせたり、殺しても殺してもより美しく(?)メイクもファッションも過激になってどんどん強くなっていく妻、へんてこりんな催眠術師、プライド高くて自信過剰のCMプランナー、非常事態になっても異様に冷静な母。

そしてその4組をつなぐのが「ロンドンからわざわざやってきた」殺し屋(ヴィニー・ジョーンズ)と殺し屋コーディネーター兼同時通訳の男(荒川良々)なのですが、殺し屋の第一声は必ず「あなたの役割は何か?」という哲学的な問い。その答えによって・・・・・・?

とにかく殴られ追いかけられる浅野忠信、美しく強い橋本麗香、よくやるなぁ~の岸部一徳、ツ、ツ、ツ~~~と自分のアイディアに笑ってる小泉今日子、爆裂してる割にはなんだかしょぼいクレイジーな阿部ちゃん。自分の通訳にぷぷぷぅと笑いながらも必死の名通訳、荒川良々、ハイテンションな3人組。とにかく観ていて、唖然、笑い、唖然、笑いの繰り返し。

映画は意外な大団円をむかえちゃうのですが、この映画は何がいいたいのか・・・というと、特にないように見せて・・・ポジティブシンキングだよ、人生は・・・でしょうかねぇ・・・(自信ない)

監督と原案・脚本他の多田琢は、ああ、あのCM・・・の数々を手がけてきたCM界の人だけあって、全編、PV的で瞬発力勝負の反復横跳びしてるみたいな120分・・・このデフォルメが、毒が、笑いが・・・・わかるか、怒るか、どちらかの両極の映画ですね。私は笑ってしまいましたけど・・・。

独創性ということでは、『下妻物語』『茶の味』に続いてCM界から飛び出してきたぁ~~~ずば抜けていますから。このドラッグ感覚についていけるかは、貴方の感性次第ですよ、と言い切っちゃってるのが心地よいです。

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