ホワイト・ライズ
Wicker Park
2004年12月24日 シネスイッチ銀座にて
(2004年:アメリカ:116分:監督 ポール・マクギガン)
邦題はホワイト・ライズ・・・なんですけれども、原題は主人公たちが待ち合わせによく使うWicker Park なんですね。
white lieは、「悪意のない嘘」・・・でも、これは悪意ではないけれど、結局「本当の事を言わずに隠している」という方が正しいように思えます。
この映画の一番の魅力って、冬の映画の寒さの出し方の徹底ぶりです。とにかく寒そう。吐く息が真っ白になって一瞬顔が見えなくなるような寒さ、ちょっと外に出ると顔が赤くなってしまうような寒さ、晴れていても氷片がキラキラ降っているような街、道路に固く凍って汚れている雪・・・そんな寒さがびしびし伝わるような映像が観ていてとてもリアルです。季節感がよく出ている映画は好きです。
その分、話の方はリアルさに欠けているのですが、お互いすれ違って2年経ってしまった恋人同士(ジョシュ・ハートネットとダイアン・クル-ガー)が巡り会ってすれ違って・・・・追いかけあってもすれ違ってしまう。そんな課程をまったりとしたフラッシュ・バックで謎ときのように見せる構成がいいなぁ。ぱっぱっぱっと細かいカット割りで、過去を垣間見るのではなくて、「え?」とか「あっ!」って思い出した瞬間の気持ちがリプレイされる、とでもいいますか。スクリーンで出なかった過去の裏の部分が見え隠れしてだんだん真相がわかってきたり、突然画面分割にしたりミステリー風味。
2人の間をとりもつような、遠ざけるような存在の女性、アレックス(ローズ・バーン)が、後半キーパーソンで、主役の2人よりもアレックスの方が切なくて、つらい立場。ローズ・バーンのいつも半分泣き崩れたような表情が印象的。後半になると主役の2人はどんどん自分の気持ちに確信を持っていくけれど、アレックスは確信が固持できなくなってしまう、そういうすれ違いもありなところがいいですね。
ジョシュ・ハートネットとダイアン・クルーガーは美男美女のカップルです、という目の保養的な存在なのですけれど、このアレックスの不美人ぶりが、2人を引き立てている・・・ので、恋愛ものには脇役が重要なのよ、ということかもしれません。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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