カンフーハッスル
Kang Fu Hustle
2004年12月13日 国際フォーラムホールAにて(ありえねー試写会)
(2004年:香港:104分:監督 チャウ・シンチー(周星馳)
宣伝のキャッチコピーは「ありえねー」なんですけれども、このテの香港電影というのは、もう70年代から「ありえねー世界」を楽しむというものでした。重力無視したワイヤーアクションからしてもうあり得ないのですけれど、それがあり得るのが香港電影ってもんです。
ですから、私の中では「あるある!」という世界です。
意外とチャウ・シンチーの映画は日本では公開されないのですが、香港ではもう喜劇王。その笑いが日本の笑いとはちょっと違いますからあまり流行らなかったのでしょう。
『少林サッカー』が興味深いと思ったのは、香港で滅多に観られないスポーツもの=サッカーを描いていたからなのですが、今回は本家本元のカンフーアクションで、あまり『少林サッカー』の続編的なものを期待してもちょっと無理がありますね。
斧頭会という斧を武器にした軍団にのっとられそうな貧民街、豚小屋砦の住人が、実はカンフーの達人ばかり・・・クリーニング屋のおじさん、麺打ち、大家のおばさん・・・などなど意外な人が、カンフーの技を次々と披露するのが前半のお楽しみ。
結構、小技が効いていて、小物なんかも上手く使っているのですが、なんともゆる~い感じが、ほのぼのしちゃいますね。
斧頭会のボス達の描き方(ちゃんと副ボスはラム・シューだったりします)、ダンスフロアで斧を持って踊る所を正面でなくて上から撮っているのは、意味なくてもなんとなく服装も黒で統一してかっこよく、かわいいダンスの撮り方で粋でとても気に入っているシーンです。(でもとっても弱い斧頭会)
そして主人公のシン(チャウ・シンチー)が、最初は斧頭会に入ろうとするものの、最後は自分の秘めた力に目覚めて爆裂・・・という、これ香港カンフーアクション映画の王道であります。こういう映画、久々に公開されるから「ありえねー」ってことになるのでしょうが、大丈夫、レンタル・ビデオ屋に行けばこの手の映画はたくさんありますから、『少林サッカー』にとらわれず、香港電影を見直して欲しいものです。本当に70~90年代の香港電影はとにかくなんでもありの楽しい世界を作ろうという電影がたくさんありました。
ちなみに、今、人気作家の馳星周氏(『不夜城』など)は、香港電影に詳しくて、ペンネームはチャウ・シンチー(周星馳)の名前を逆さにしたものです。
また、製作、脚本、監督、主演はチャウ・シンチーですけれど、共同プロデューサーの中に「香港映画界の影の立役者」と言われる天才監督、ジェフ・ラウの名前もありました。
監督ジェフ・ラウ、主演チャウ・シンチーの『チャイニーズオデッセイ西遊記』のほうがもっともっとありえねぇ~世界ですので、この映画を楽しまれた方はこちらも観てね。
更夜飯店
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