スパイ・バウンド
Agents Secrets
2005年1月27日 ル・テアトル銀座(試写会)
(2004年:フランス:110分:監督 フレデリック・シェンデルフェール)
この映画のモデルになったのは実在する事件、1985年の「虹の戦士号」という船が爆破され沈没した事件にかかわった工作員だそうです。
主役はモニカ・ベルッチなのですけれど、美しく華麗な女スパイ・・・どころか、映画始まってもなかなか出てこない。
むしろやはり船の爆破計画を立てる男たちの姿を追っているのですね。
そして動き出した計画に従って、じわじわとモニカ・ベルッチが、地味で緻密な工作員活動をしている、という風になります。
夫婦であるということにしてパートナーのヴァンサン・カッセル(モニカ・ベルッチとは私生活では夫婦)と組むわけですけれども、2人とも目立って派手なことはせず、やはり緻密な細かい心配りの方を描く・・・ので、スパイ映画~♪と期待していった人は多分、淡々としていて「おもしろくない」ことの連続になってしまうかもしれません。
台詞を極端に少なくして、パートナーとも恋愛感情が芽生えても、べたべたせず仕事に徹する緊張感。
デフォルメを極端に嫌っているような作りです。だからあまり大きく盛り上がることなく映画は終わるのですが、全編に漂う、「工作員の苦労」がにじみ出ているのが、アメリカでなくフランスの映画だなぁ、と思います。
モニカ・ベルッチは実はもう長年やってきた工作員は引退したいと考えている。しかし、その身のこなしはあくまでも、シャープで無駄がない。また、派手なメイクや服装はさけてむしろ、ノーメイクの素顔が多い。
目尻の皺なんかくっきり出してしまっているモニカ・ベルッチっの潔さが大人の女、という感じでそこが私は良いと思いますが、この事件をよく知っている人の方がその後のことなどあわせて納得のラストかもしれません。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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