銀のエンゼル
2005年1月27日 新宿シネマミラノにて
(2004年:日本:110分:監督 鈴井貴之)
5枚集めるとおもちゃの缶詰がもらえる、チョコボールの銀のエンゼル。金なら1枚でもらえるけれど、銀はなかなか5枚そろうことはない・・・
そんな「1枚足りない・・・あと1枚なんだけどなぁ」な人々が北海道のコンビニを舞台に描かれます。
店長である妻が事故で入院して、急にコンビニをまかせられてしまうオーナー、小日向文世さんがとてもいいですね。
気が弱くて、優しくて、ちょっと疲れていて、受験を控える娘との会話がないのをとても気にしている。
そんな「1枚足りない」様子が、小日向さんのちょっと情けない悲しげな声、ぴったりです。
コンビニというのは色々な人が集まりますが、このコンビニは周りは畑でぽつん、と一軒だけ立っている、そんなコンビニ。
お客が多いのか少ないのか、あまりよくわからないのですが人々の目印になっている、それだけでもう、役にたっているのですがなかなかオーナーは目先のことばかり気になって、落ち込んでしまうことばかり。そんなとほほ感がとてもいいです。
映像で空が占める部分がとても多いのは、やはり北海道ならでは、ですね。ごみごみした感じが全くないです。しかし、冬の寒さの厳しさなどもきちんと描いています。
小日向文世さんと娘に焦点をきちんとあてて、脇の話はあれこれつめこんでいないところがすっきりしています。
とはいえ脇で出てくる、謎のバイト君、西島秀俊、巡回おまわりさんの嶋田久作さんなんかはとても存在感ありましたね。でも出しゃばらないさじ加減です。
ささやかな映画ですけれど、家族や人との距離の取り方の難しさ・・・そんなこともさりげなく描いています。
バナナは暖めて食べるのもいいかもしれませんし、コーヒー味のメロンもいいかもしれない・・・なんて。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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