ライフイズコメディ~ピーター・セラーズの愛し方
The Life and Death of Peter Sellers
2004年1月18日 九段会館(試写会)
(2004年:イギリス=アメリカ:125分:監督 スティーブン・ホプキンス)
ピーター・セラーズは1980年に54歳の若さで他界しているのですね。
この映画ではジェフリー・ラッシュがピーター・セラーズを演じていますが、もともとの顔の作りは違うのになりきりぶりでそっくりさん状態というのが役者だなぁ~と。他にもブレイク・エドワーズ監督を演じたジョン・リスゴーも同様です。
ただし、これはピーター・セラーズの映画を観ていないと、ちょっと苦しいものがあるかもしれません。
細かい所でピーター・セラーズが演じた役がちょろちょろと出てきて、それが楽しい映画だと思いますから。
実生活でのピーター・セラーズは、母に過保護に育てられ、容姿のコンプレックスが強く、その反動か美女好きです。
最初の奥さん、エミリー・ワトソンは女優ではないのですが、共演したソフィア・ローレンに強烈片想いをして、離婚まで決意するのにあっさりふられる・・・変な占い師に頼って(ロジャー・ムーアから紹介された?!)簡単に信じてしまう弱さ。再婚しても何かあると最初の奥さんに頼ってしまう情けなさ・・・それを憮然とした表情で迎えるエミリー・ワトソンがいいです。口では文句言わないし、拒絶もしないけれど、なんかもうあきれた~っという表情。
映画『ピンク・パンサー』で人気が出ても、だんだん気むずかしくなって、続編に出たがらない。すぐに癇癪をおこして暴れる。心臓病の発作に襲われる。
映画は単に当時の再現をするだけでなく、カメラに向かって独白したり、撮影の裏側に回ってみたり、いつの間にかジェフリー・ラッシュ自身が別の人になって、説明したりと・・・二重構造になっていたりして凝ってはいます。
『博士の異常な愛情』の時、三役やったのですが、その重圧に耐えきれなくなったり、『ピンク・パンサー』とは縁を切りたくて、自分で選んだ『チャンス』(Being There)への思い入れなどは、映画の舞台裏としてへぇ~っと楽しめました。
ピーター・セラーズというのはからっぽの容器だ、中になんでもつめこむことができる。でもそれもいっぱいになってしまう・・・という台詞がありますが、俳優というものはそういうものなのかもしれません。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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