パッチギ!
2005年1月13日 一ツ橋ホールにて(試写会)
(2004年:日本:119分:監督 井筒和幸)
パッチギというのは頭突きのことなんですが、もう、これは井筒監督のノスタルジィそのものですね。
1968年グループサウンズが盛んで、冒頭ライブで熱狂しているシーンから始まりますが(グループサウンズのボーカルはよくよく見ると加瀬亮)、その髪型に憧れて真似してみて笑われる、紺のマジソン・スクウェア・ガーデンのスポーツバッグ、そしてフォークギター。
京都の高校と朝鮮人学校とのとにかく一触即発状態の対立するグループの「ロミオとジュリエット」みたいな恋→ウエストサイド物語。
喧嘩もあまり道具を使わず、素手で殴り合い、どつきあい、けり合い、みたいな、喧嘩へのノスタルジィも感じられます。
アンソンのパッチギは強烈ですが、暴力はいけませ~ん、とはいえ、素手で殴るという行為は、殴られる方も痛いけれど、それと同じだけの痛みが殴る方にもあるわけです。
そういうことを知っているって大事なんだけれども・・・道具を使ってしまえば、相手へのダメージだけですから、痛みがわからない。
痛みを知ることの大事さ、がよくわかりますね。
ノンポリでのほほんとしている康介に、フォークソングの存在を教え、ギターを教えるのが近所の酒屋の兄ちゃん、オダギリ・ジョー。この青年が頭よさそうで、要領よくて飄々とちらちら出てくるのがよかったですね。
おぼっちゃま、康介くんが色々な出会いで少しずつ変わっていくのに、出てくるたびにがらりと豹変して出てくる大人。胡散臭さもありますが、いい人っていう雰囲気よく出ていましたね。
人物の交通整理が上手いのは『のど自慢』同様ですが、ちょっとピンぼけしているような部分もあったかなぁ、と思います。
主人公が康介なのか、アンソンなのか・・・どっちなのか、といったところがちょっと曖昧かな?
ノスタルジィということでは、私が高校の時は、こういうぶいぶい言ってる生徒というのがいて、体育祭の合同練習の時、アンソンみたいな先輩が「ちんたらしてんじゃねぇよ!」って怒ったら、それ以来、その先輩のあだ名は「ちんたら」になった・・・とか・・・そんな10代ならではバカバカしいあれこれ、なんかの雰囲気はよく出てました。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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