天国の口、終りの楽園。

天国の口、終りの楽園。

Ytumama, Tambien

2005年2月24日 ビデオにて

(2001年:メキシコ:106分:監督 アルフォンソ・キュアロン)

もう取り戻せないある若さの一瞬を見事に切り取った映画。

17歳の男の子2人フリオとテノッチ(ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナ)はいつも子犬のようにじゃれて、頭の中は女の事しかなくて、喧嘩して、仲直りして・・・お金持ちのお坊ちゃんたちですから、時間とお金には苦労していません。

そして出会った人妻、ルイサと車で海、本当は実在しないでまかせのビーチ、天国の口へドライブに出かけます。

・・・ということが何でもないような会話のやりとりと淡々としたナレーションで子供から卒業しかけている男の子を上手く描いていますね。女の方がなんだかんだいって大人で、いざとなるとシュンとしてしまう子犬少年2人。

音楽や音がいきなり切れて、無音になると淡々としたナレーションになるのが上手い。

メキシコの風景が、開放的で明るさに満ちているけれど、時々車中から見える「軍事政権」が綺麗さに影を落とします。

旅で3人が得たものははっきりと描かれないけれど、友情というものの描き方がとてもさばさばしていて、切なくて、可愛らしいところがとても好きです。天国の入口は、少年という楽園の終りでもあったのですね。 

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