ナック

ナック

The Nack...and how to get it

2005年2月23日 ビデオにて

(1965年:イギリス:85分:監督 リチャード・レスター)

1965年のカンヌ映画祭グランプリを受賞。

・・・というと格式高い映画かなぁ、と思いますが、とても粋なスラップスティック・コメディなんですね。

女にもてたいさえない若者、コリン。コリンはアパートの家主で店子のトーレンは、お洒落なドラマー、女の子にもてまくりで次々と違う女の子をアパートに連れてくるのが気に入らないけれど、羨ましい~~~コリンです。

女の子をうまくつかまえる「コツ」(これがNack)を聞き出そうとする、トーレンは意味深な事を言ってはぐらかすばかり。そんなとき、トムという若者が部屋を借りに来て、田舎から出てきたらしいちょっと変わった女の子、ナンシーがそこに入ってきます。

コリンとトムとトーレンとナンシー。この4人の追っかけあいが、軽妙な音楽やコマ落としを使ってドタバタ喜劇になっています。

コマ落としでぱぱぱっと進むかと思うと、廊下に積み上げられた家具をおそるおそる乗り越えるコリンをしつこくじっくり撮ってみたり。

コリンは「トーレンと同じような大きなベッドを持てば自分ももてる!」という変な確信をもって、大きなベッドを中古で買うのですが、運ぶ手だてがなく、トムとナンシーと3人でロンドンの街をベッドを転がしていくのがちょっとした冒険になっていて、理屈なしの楽しさ。もう、理由とか理屈抜きのおもしろさが満載です。

このドタバタ具合っていうのが最近の映画では見られなくて、『地下鉄のザジ』とか・・・昔はあったのですが、サイレント映画のコメディのような動きの面白さですね。

4人それぞれの個性もユニークで観ていて微笑ましいですね。ナンシーの変な女の子ぶりっていうのが特に可笑しい。

リチャード・レスター監督らしい、皮肉の精神というのがとても好きですね。

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