ビューティフル・デイズ
Clada apa dengan Cinta?
2005年2月18日 銀座ヤマハホールにて(試写会)
(2002年:インドネシア:監督 ルディ・スジャルウォ)
昔、タイに行った時、ちょっと驚いたのはタイの女子学生(高校生?)の女の子たちが手をつないで街を歩いていたことですね。
主人公、チンタ(Cintaとは愛という意味)は、4人の親友達に囲まれて、家も裕福で、学校の詩作コンテストではいつも一番というからお勉強も出来る、男の子にももてるかわいい女の子。
この5人組、新聞部の部員であり、仲がよくていつも一緒。やたらと手をつなぐのですね。そして親友という言葉をいつも口に出します。
同じ高校生でも『花とアリス』の花とアリスの2人はかわいい女子高生で、仲はよくても、どこかしらけたムードがあって、ちょっとすれている・・・という感じなのですが、この子たちはひたすらきゃぴきゃぴとかわいらしく手をつないでいます。
詩作コンテストで今年もチンタが優勝ね!と皆が言うのを、まんざらでもない顔つきでいたら・・・優勝したのはランガという男の子だった、ということから、チンタとランガが出会います。
まぁ、最初は喧嘩ばかりしていた2人が結局惹かれ合ってというのは、めずらしくないのですが、なんといってもそのスクール・ライフのきゃぴきゃぴ感がとても新鮮なんですね。
いつも1人で本を読んでいて、詩なんか作ってしまうランガの知性に魅力を感じるチンタですが、そうすると5人がいつでも一緒の規則を破ることになってしまう、という「群れている子たちの掟」がリアルですね。
高校生くらいの時ってひとりになりたい気持ちとひとりじゃ不安な気持ちが同居していたように思います。
なんのてらいもなく群れたり、彼氏・彼女を作って堂々としている子が、妙にまぶしかったり・・・そんな高校生時代の気持ちってありますね。
ランガは「なんでいつも群れているんだ?」と言うとチンタは「あんたなんか、友達いないくせに!」とむっと言い返す気の強さとか、ランガの家に行って「メイドはいないの?」と思わず聞いてしまうお嬢様ぶりが、最初は鼻につくような感じなのですが、だんだん「好き」という気持ちと「私たちはいつでも一緒」という気持ちの間に挟まれてしまって悩むことになります。
そんなことを経たチンタちゃんの顔がとてもピュアにかわいらしくなってきて、純粋で見ていて気持ちいいですね。
チンタとランガが一緒に行く古本屋さんの風景とか、5人組がいつでも自家用車に乗って登校(運転までしちゃう)、街角で売っている茹でピーナッツとか・・・インドネシアの日常風景が垣間見られるのも興味深かったです。
ランガは孤独な少年ですが、ひとり心を許しているのが学校の用務員さん。このおじさんが、いい雰囲気していて、チンタが声をかけても「もう、女の子に声かけられても胸躍ることはないんじゃ」とか、学生に慕われていて貴重な情報源だったりするところが面白いですね。
これは学校のシーンが多くても、授業のシーンはなく、学校の先生というのも出てきません。用務員さんだけが、チンタたちの背景にいつもうろちょろしているんですね。それが可笑しい。
チンタ役のディアン・サストロワルドヨはもちろん若くてかわいらしいのですが、健康的なムードと豊かな黒髪がとても清潔感ありますし、ランガ役の男の子、ニコラス・サプトラは、ドイツ人とのハーフということで、ちょっと周りと空気が違うハンサム君です。
他の女の子や男の子たちにも見られるピュア感っていうのが、今の日本の高校生とかには感じられないなぁ、って思うのですが。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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