ライトニング・イン・ア・ボトル~ラジオシティ・ミュージックホール 奇蹟の夜~

ライトニング・イン・ア・ボトル~ラジオシティ・ミュージックホール 奇蹟の夜~

Lightning in a Bottle

2005年2月16日 明治安田生命ホールにて(試写会)

(2004年:アメリカ:109分:監督 アントワン・フークア)

2003年2月7日、ブルース生誕100年を記念して一夜かぎりのコンサート、「サルート・トゥ・ザ・ブルース」がニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで行われた様子のドキュメンタリー。

映画は2時間弱ですけれど、実際は5時間以上も総勢50名の豪華ブルースミュージシャンが歌い、このチケットを手に入れるのはものすごく大変だったそうです。

映画のプロデューサーでもあり、コンサートの開会の辞をのべるのは、マーティン・スコセッシです。

とにかく次々と迫力の歌、歌、歌・・・で、ブルースをよく知らない私も圧倒されました。もう、渋いのです。声量が凄いのです。リズムがいいのです。

特に、トップを飾るアンジェリーク・キジョーの美しい声と豊かな声量で一気にブルースの世界にひきずりこまれます~~という感じです。ナタリー・コールの声量にもびっくり。

BBキング他、もう高年齢のミュージシャンは椅子に座って演奏し、歌うのですけれど、そのオーラというか・・・そんなものが素晴らしい。エアロスミスのスティーブン・タイラーなんか、ひよっこ扱いですね。「この場に立てて光栄です」とかとてもブルースに尊敬の念を抱いているというのがよくわかります。

ブルースの歴史というのは黒人の歩んできた歴史でもあるのですね。だから歌詞は嘆きの歌が多い。世の中に嘆きがなくならない限り、ブルースっていうのは不滅なんでしょうね。また、ブルースといえば、男性のものであり、女性シンガーの立場の弱さがあったのですが、それを跳ね返す勢いを見せつける歌もあります。

また、とてもいいのは観客の大人の雰囲気です。子供はいなくて、でもブルースに拍手喝采をして、一緒にリズムをとる一体感というのもきちんと伝わってきます。ブルースを尊敬して大事にしている、というリスペクト感がとても感じいいです。

監督はアントワン・フークアですけれど、こんなにきちんとしたブラック・ミュージックの記録を残せる人が、何故『キング・アーサー』の監督をしたのか・・・それが疑問です。

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