セルラー

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2005年2月8日 一ツ橋ホール(試写会)

(2004年:アメリカ:95分:監督 デヴィッド・R・エリス)

巻き込まれ型のサスペンス、というのはたくさんあって、私の中で一番はアルフレッド・ヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』なんですが、この映画の巻き込まれ方が面白いのは、巻き込まれるのが1人ではなく2人だということですね。二重巻き込まれ。

冒頭、バリンとガラスをジェイソン・ステイサムに蹴破られて誘拐拉致されてしまうキム・ベイシンガー。ものすごく早い展開にまずびっくり。

そして監禁されたキム・ベイシンガーが電話でたまたまつながった(タイトル通り)携帯電話の持ち主、クリス・エバンスに助けを求める。そのテンポが早いこと早いこと。

キム・ベイシンガーの恐怖顔とか血気迫るものがあるのですが、何分助けを求めたのが、なんだかふられた女の子の気をまだ引きたいなぁ~なんて考えてる青年であります。最初は警察に通報するだけだよ、なのですが、どんどん深みにはまって巻き込まれてしまう様子がまたテンポいいですね。

そして半信半疑だった警察のウィリアム・H・メイシーが本格的に動き出すまで・・・ライアン君ことクリス・エバンス青年の奮闘ぶりが、へなちょこ君成長物語みたいになっています。だんだん頼もしくなってくるのだ。

会話のテンポもいいのですが、緊迫したやりとりの合間に脱力もののユーモアがはさまれているのが、あれあれ・・・と思いつつ、ぷぷぷと笑えるのがいいですね。携帯電話の充電はきちんとまめにしておきましょう、などなど。

とにかくジェイソン・ステイサムたちの先を越そうと必死に車を走らせるライアン君。かなり無謀なカーチェイスが設定などきちんとしているから軽快でユーモアがあって疲れないのもいいところ。

頼りの綱の警察がウィリアム・H・メイシーというキャスティングもいいですね。へなちょこ警官っぽくて、大丈夫なのかいって思いますが、やっぱり頼もしくなるのでした。

監督は『デッド・コースター』の監督だったのですね。あのタイミングの上手さは(映画はともかくとして)この映画でもいかされていました。脚本が上手い映画です。

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