ウィンブルドン

ウィンブルドン

Wimbledon

2005年4月14日 有楽町よみうりホールにて(試写会)

(2004年:イギリス:99分:監督 リチャード・ロンクレイン)

大体毎年ウィンブルドンの試合中継を見ているのですが、長年の疑問は、何故女子のテニスウェアはどんどん進化してデザインが変わっていくのに、男子のウェアは昔とかわらないダブダブしたシャツにズボンなのかなぁ、ということなんです。

また、ウィンブルドンというのはイギリスで行われるのにイギリス人は優勝しないと言われています。実際そうなんですけど。

ウィンブルドン・・・テニスを見るのが好きなのは、観客に対して審判が'Quiet please'と言うと静かになって、集中度が高まるという雰囲気です。野球やサッカーのようにどんちゃかお祭り騒ぎをしないスポーツなんです。

テニスをメインに持ってきた映画というのは、あまり思いつかないのですが、これはタイトル通り、ウィンブルドンの試合に臨むプロテニス・プレイヤーたちの勝負と恋愛の世界。

冒頭のクレジットタイトルが、テニスのラリーに合わせて文字が右、左と交互に出てくる・・・というのがとても粋です。

そして主役がポール・ベタニーって所に注目。

今まで、脇役か、くせのある個性的な役がほとんどだったポール・ベタニーを恋愛スポーツ映画の主役にもってくる、という発想。

しかも、ポール・ベタニー、あの男子のダブダブしたウェア、とても似合っちゃうのです。

年齢が30過ぎてもう引退か・・・、これが最後のウィンブルドンか・・・というリアリティなんか、ウェア着て立ってるだけでわかってしまうのです。素晴らしい。

女子プロ・テニスプレイヤーでポール・ベタニーと恋に落ちるのが、キルスティン・ダンストでアメリカの選手、そして父(サム・ニール)が専属コーチでいつもついて歩いているというのもよくあるなぁという設定です。

play gameを’ぷらい がいむ’みたいにロンドン訛で話すポール・ベタニーとぱらぱらぱらぱら早口でアメリカ英語でまくしたてるキルスティン・ダンストのカップルってやりとりを聞いているだけでも面白いです。

テニスのシーンは、色々と工夫していますし、2人ともテニスの特訓を受けたようですが、テニス自体はあまり長く映せないのがつらいといえばつらいですけれど、そのかわり、初めてウィンブルドンのセンターコートで撮影が許されたという「ウィンブルドン感」がとても丁寧で、さすがです。雨が降るとさ~~~っとカバーをかけるあの早さとか・・・副審判をしている緑のワンピースを着た女の人とか・・・

またテニスというのは、シングルスだと特にですが、完全に個人競技。自滅になったらとことん一人で自滅するが、勝ったらもうその人だけの勝ちなのです。その厳しさというのがよく出ていました。野球のようにピッチャー交替もない、格闘技などよりも2時間3時間という長時間の一人勝負の厳しさ。

恋愛ものとしては、定石通りの展開で、ポール・ベタニー30過ぎている割には恋愛にとても純情です。

しかし、風景や家族の描き方がとてもイギリス感を出していて、ちょっとしたイギリス観光映画になっています。そう・・・この映画は、ウィンブルドンを始め、とてもイギリス感にあふれた映画なのです。

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