female~フィーメール~
2005年5月18日 渋谷シネ・アミューズ(赤)にて
(2005年:日本:118分:監督 篠原哲雄、廣木隆一、松尾スズキ、西川美和、塚本晋也)
Jam Filmsの最新作は、女流作家の短編を映画化した5編。
テーマはエロス。なので冒頭からいきなり18禁です。
エロスといっても色々な訳でこの5本、バランスとれていたのではないでしょうか。
私が好きなのは、まず、廣木隆一監督、室月佑月原作の『太陽がみえる場所まで』
『ヴァイブレータ』の廣木監督らしいほとんどがタクシーの中、という車中だけで繰り広げられる女3人のエロスというよりコメディ。
若い大塚ちひろより、くたびれホステス、石井苗子の迫力とドライバー、片桐はいりの無表情が、タッグ組んでますという感じ。
大塚ちひろ、完全に迫力負け。でも可愛くなる3人っていうのが、どこがエロスかといえば、う~ん、ヌーブラ?カラリと乾いた雰囲気。
そして最後にやっぱり映画を締めるのは塚本晋也監督、小池真理子原作の『玉虫』
石田えりが田舎の一軒家に、じじい(小林薫)の愛人として囲われているところに、連れてこられた若者、加瀬亮。
この3人の関係は、直接的にはあまり接しないのにじっとりとした男と女の雰囲気、バリバリ出ていて塚本監督好みのショートヘアの石田えり、凄い。
かわいくて、怖くて、美しくて、崩れている。そんな女に吸い寄せられてしまう若者、加瀬亮。
外では大雨が降り、激しい雷が鳴り響き、家は停電になる。そこで、触れそうで触れない女と若者っていうのが、観ていてどきどきします。
直接的な事を出さずに雰囲気できちんと伝えることが出来る、塚本監督らしい世界。
後になってからじわじわよくなってきたのは、西川美和監督、乃南アサ原作、『女神のかかと』
小学生の男の子が、ついつい気になってしまう同級生の綺麗なお母さん(大塚寧々)
恋でもない、エロスでもない、なにか惹きつけられてしまう気持ち。
透明感のある反面、現実感のない綺麗な空気のような女性の余裕の笑顔にどぎまぎする男の子の憂鬱です。
西川美和監督は、女性ながら『蛇イチゴ』もそうだったけれど、家族というものの隙間を描くことが好きなのでしょうか。
他には松尾スズキ監督の『夜の舌先』は、高岡早紀(と近藤公園)意外な一面。実は、ルビー・モレノの出演が嬉しかったりして。
篠原哲雄監督の『桃』は、長谷川京子が桃みたいな女性なんですね。なんだか熟した桃ってストレートにエロチック。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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