敗者復活戦

敗者復活戦

Repechage

2005年6月29日 池袋シネマロサにて

(1997年:韓国:84分:監督 イ・グァンファン)

1997年のこの映画・・・ずばり、チャン・ドンゴン映画デビュー作。

相手役のキム・ヒソンも初映画でこのあと『アウトドライブ』などに出演しているようです。

この映画、何に感心したって、女性のメイクです。特に口紅。

赤というより、黒か紫のようなごってり感のある口紅を堂々としています。そうそう、こんな口紅流行った時代もあったなぁ~なんて映画の内容に全然関係ないことを。

ミンギュ(チャン・ドンゴン)は、若くて誠実な動物園の獣医さん。なんだか肉体労働の割には、スーツをばりっと着こなしたり、動物園のユニフォームも襟がパンダ柄になっていたり妙にかわいらしかったり。

しかし、突然、目の前に現れた派手な黄色い車に乗ったゴテゴテ美女、ウネ。

ウネの彼とミンギュの婚約者が浮気している写真を、いきなりつきつけて、「私たち、裏切られているのよ!!!復讐するわ!!!思い知らせてやるわ!!!!」と鼻をふくらまして、復讐を持ちかけるウネを、なんだか珍獣を見るように呆気にとられてながめるチャン・ドンゴンがなんとも、はや、笑えます。

ウネの復讐は結構、シビアで残酷で直接的。ミンギュは、そんなウネと一緒に復讐に燃えることはなくむしろいい迷惑です。

ウネの怒りは未練であって、結局、あきらめきれない、まだ好きなのだ、という気持ちの裏返し・・・という事なんですが、ミンギュはそれを見てやっぱり呆れている感じ。最初は痛快なようでも、やりすぎじゃないかなぁなんて、見てるこっちも思うのです。

ウネの暴走・・・・とどまることを知らず。しかしあんまりエキサイトしすぎて逆に痛い目にあってひ~んとへこんでしまうかわいいウネ。

ミンギュの婚約者も、ウネの彼氏も、開き直ってウネを相手にしない。開き直ってる人間に怖いものなしなんだなぁ。

どんどん復讐しているつもりが、自分を自分で傷つけている・・・ということにウネが気づいていくあたりは、結構、若い人にはわからんなぁ、なんて思う深さを見ちゃいました。

コメディタッチ、特にウネが空回りする様子のテンポ良さ、チャン・ドンゴンってやっぱりスターだわ・・・なんて思わせるスタイルの良さと甘い表情がとても楽しい、ちょっと心が痛むけれど、痛みを乗り越えた時の、幸せ感というのが、いい雰囲気です。

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