イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

2005年6月8日 テアトル新宿にて

(2005年:日本:101分:監督 三木聡)

シティボーイズライブの作・演出で知っていた三木聡監督ですが、テレビの「トリビアの泉」「笑う犬の生活」などの放送作家だったという事も妙に納得のいく映画です。シティボーイズライブそのまんま。観たあとな~んにも残らない面白さが満載。

これが映画か?・・・って、生真面目な人にまともに聞かれると困るような気もするのですが。でもメリハリないようでいて、水面下ではちゃんと計算しているな・・・という策略も感じます。

他人からみたらただの気のせい・・・のような症状の三人の患者、オダギリジョー、市川実和子、田辺誠一。

この他人から見たらただの気のせい・・・これがこの映画のネックです。悩みなのか、病気なのか?

深刻感が全くないのですが、見ている内に自分の精神状態と照らし合わせているのに気がつきました。

この3人それぞれが外見は普通でも密かな悩み・・・つまり周りからは全く理解されない悩みを持っている・・・という誰にでもあることのデフォルメの仕方が、脱力ムードあふれています。そこが可笑しいのです。力ぜ~んぜん入っていない。

オダギリジョーのトイレを我慢しているような姿勢、市川実和子の妙に大きなカバン、スーツの下に水泳パンツをはいている田辺誠一。

伊良部医師の松尾スズキもちっちゃい目が妙に獰猛に光っていたりして、高慢なんだかいい加減なんだかよくつかめないキャラクター、合ってました。豹柄の水泳パンツ、妙に似合う。

私は田辺誠一が奥さんに、「?マークってさ、ネコなんだよ。シッポがくるっとなっていて下にネコのお尻の穴・・・」と言う会話が好きです。

どうでもいいような会話だけれども、会社でストレスにさらされて水泳、プール依存症になっている男が家でもなんか会話がなくて・・・こんなトリビア話しか出来ない情けない雰囲気。

こういう面白さってジム・ジャームッシュ監督の会話の雰囲気に似ていると思うのは私だけでしょうか?

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