チャーリーとチョコレート工場

チャーリーとチョコレート工場

Charlie and the Chocolate Factory

2005年9月16日 錦糸町楽天地シネマにて

(2005年:アメリカ:115分:監督 ティム・バートン)

謎のチョコレート工場のオーナー、ウィリー・ウォンカを(嬉しそうに)演じているジョニー・デップを見ながら、「そういえば、ジョニー・デップは『ショコラ』(やはりチョコレートの映画・・・但し大人の映画で、ジョニー・デップはジプシー役)に出ていたんだなぁ、大違いだなぁ」と「ウィリー・ウォンカって、ほとんど怪人二十面相状態・・・」とかなり楽しんでしまいました。

もし現代に怪人二十面相がいたら、多分、ウィリー・ウォンカみたいな、おかっぱ髪型、真っ白い歯、帽子、フロックコートにステッキ、というかなり浮世離れしたお方で、子供の相手を嫌そうながら、なんだかんだいって楽しんでいると思うので。

もう、仕事というより趣味でやってます!全部、趣味なのさぁ~楽しいからやってるんだぁ~がばりばりなんですよ。最初の登場シーンから。

原作が40年近く前のロアルド・ダールの児童文学ですから、悪い子への説教的な部分と良い子のめぐまれかたなんて、ちょっと古いのですけれど、そこをティム・バートンですから、もう、箱庭世界、つくりもの感、原色の微妙な色遣い、ダニー・エルフマンの楽しい音楽・・・と凝りに凝って見せてくれるのをひたすら楽しみ、かつ、呆れる・・・というのが、この映画の楽しみ方かと。

チャーリー少年を演じたフレディ・ハイモアという少年は『ネバーランド』『トゥー・ブラザーズ』で良い子の典型、みたいなイメージにさらにこの映画と良い子を演じていますが、いやらしくないのです。あくまでそこら辺は自然にたくさんの家族~4人の祖父母がひとつのベッドに寝ているシーンは秀逸~に貧しくても愛されて、疑う事を知らない無垢な少年という線は、ティム・バートンおさえてます。

他の4人の子も、いやらしくて(かわいくなくて)それはそれで楽しいものがありました。

4人の甘やかされて、わがまま放題の金持ちの鼻持ちならない子供が、それぞれ、涼しい顔したウィリー・ウォンカにいぢめられる所なんか妙にイキイキとしています。

工場の外は雪の降る冬、チャーリー少年の住む家は見事に斜めにかしいでいます。

そして工場の中は、陽のささない閉ざされた世界で妙に暑苦しいのですが・・・そのひとつひとつの凝り方は、是非映画を観てください。

私はほとんど感心すると同時に呆れましたけれど。だからティム・バートンが好きなんです。

CGとか特撮を感じさせない、モノの質感がよく出ていますし、工場の従業員のウンパ・ルンパたちの奇妙さと気持ち悪さって、なんか居心地悪いのですが、ミュージカル仕立てになるとクィーンのボヘミアン・ラプソディから、ビートルズ、2001年宇宙の旅・・・まで、ダニー・エルフマンの本領発揮です。

クリストファー・リーなんかもかなりいい味出しています。

美しいともいえるし、奇妙とも、ビザールとも言えるこの世界、こういう世界はティム・バートンにおまかせした方が良いです。

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