エコーズ

エコーズ

Stir of Echoes

2005年9月14日 銀座シネパトスにて

(1999年:アメリカ:99分:監督 デヴィッド・コープ)

1999年のこの映画、ケヴィン・ベーコンとしては『サムシング・ワイルド』と『マイ・ドッグ・スキップ』の中間に公開された映画なんです。

古いなぁ。

もうお蔵入りしたと思っていたのに公開はファンとしては嬉しいですが。

『シークレット・ウィンドウ』みたいだなぁ、と思ったら監督同じだし・・・原作・リチャード・マシスンは『ヘルハウス』の原作、脚本だったのねぇ・・・とまぁ、アメリカ・ホラーサスペンス映画の典型がこれでもか、と出てくる訳です。

特に目新しい部分はないし、ホラー、サスペンス要素も少ないし・・・やっぱり最初は訳わからない不条理状態でも、無理矢理原因や真犯人を出さなければならない・・・という定石通りの作りになっています。

不条理に悩むのだったら、とことん不条理の世界を突き詰めて欲しいなぁって思ってしまうのが今の私でした。

妙な安心感すら抱いてしまうのでした。

なんだか、怖いというより、がっちり家族愛みたいなテーマの貫き方が、80年代とか・・・まぁ、冷蔵庫にミニッツメイドがびっしり・・・っていうのは気持ち悪かったですけれど、それもさらりとしていて、深くないししつこくないです。ホラー映画の怖さのひとつに「しつこさ」ってあると思うのですが。

主役のケヴィン・ベーコンのGパン姿がた~くさん観られたのは、ファンとしては嬉しいですし、『インビジブル』みたいにみじめな哀れな程悪役ってことがない、良き父、良き夫っていうのは良かったですね。本当に安心してしまって・・・これって一応ホラー映画とされている映画の楽しみ方か?って、自問自答してしまいました。

最初のきっかけは冗談半分で催眠術にかかってしまうという事なんですが、その催眠術の描写・・・催眠術が実際どう見えるのか・・・を丁寧に描いていたのは良かったですね。『オペラ座の怪人』よりも前に、あの劇場の色合いがざぁ~って変わっていくのをもうやっていた訳です。

霊が見えてしまっても、霊の女の子が解放される描写も面白かったです。

なんだかんだ言って、ほうほうと観入ってしまった99分でしたけれど、謎解きするなら、丁寧に謎解きして欲しいですね。ぱたぱたとこじつけたようにいきなり謎解き始まったのにはちょっとびっくりしました。

でも最後のSpecial Thanksの一番最初にブライアン・デ・パルマの名前があって、ああ、ブライアン・デ・パルマが監督したらもっとねちこく、しつこいものにしていただろうなぁ、とか思いました。 

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