銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド

The Hitchiker's Guide to the Galaxy

2005年10月5日 ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズにて

(2005年:アメリカ:109分:監督 ガース・ジェニングス)

 「これから、太陽系を通る銀河バイパス工事のため、この惑星を取り壊します。工事と爆破の計画は、50年も前からたった2万光年先のケンタウルス座アルファ星の事務所の掲示板に掲げておいたのだから、それを見ない君たちが悪い。今になって驚いた振りをしてもだめだ。同情の余地もない。それでは良き一日を。」

でもって地球はどか~んと爆破であります。

この映画の原作者、ダグラス・アダムスが、脚本を手がけているだけあって、原作の毒と笑いと浅いのか深いのかよくわからない哲学に満ちている所がいいです。

映画は、地球で二番目に賢い動物(人間は一番ではない)イルカたちが、♪魚をありがと、さようなら~♪と地球脱出をはかる歌から始まって、これは原作にはないのですが、歌詞と映像がマッチしていてとても可笑しい。

これは監督自身が考えついて作詞したそうですが、アメリカ人である監督が、このイギリスの毒を実に理解して作っているから、ルーカス・フィルムがスター・ウォーズ真っ青の特撮を駆使して、美しい映像を作ってもその底にあるのは「いじわるな笑い」

モンティ・パイソンと関わりのあった原作者ですから、モンティ・パイソンが宇宙をネタにした、と考えるとわかりやすいです。

地球人で唯一、銀河に逃れることが出来たのは、ヒーローでもなんでもない、自分の家がバイパス工事の為に取り壊されるのにあわてている所だった、世界一平凡なイギリス人の男、アーサー・デント。

アーサーなんて映画の最初から最後まで、衣装はひとつ。パジャマにローブ。それで銀河ヒッチハイクの旅に出てしまう。

銀河でヒッチハイクするのに必要なものは、何か?それは、宇宙で一番のベストセラー、『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ベストセラーの理由のひとつは「値段が安いから」)とタオル。

タオルは、寒くなったら頭に巻く、いかだの帆のかわりにする、襲ってきた相手をひっぱたく・・・の他に、「精神的な安心が得られる」とかねぇ。深いですよ、意外と。

こういったバカバカしい設定が続々と出てくる割には、ひとつひとつはよくよく考えると深い意味を持っているのが、この原作が(大森望さんによると)「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」なんですね。

役者さんもイギリスのいい役者さん使っていて、鬱病ロボットマーヴィンの声がアラン・リックマン。

宇宙で第2の知性を誇るコンピューター、ディープ・ソートの声がヘレン・ミレン。

そして、○○とも言える人が、イギリス映画界のヒレツ大王ことビル・ナイ。

く~~~~~、たまんないっす。

ワイパーのついている宇宙船。

中国の陶磁器のような宇宙船、黄金の心号。

宇宙の、生命の全ての謎の答は・・・・・42。

核爆弾は鉢植えの花とマッコウクジラに変身。

水平移動して近寄ってくる、ジョン・マルコヴィッチ。

精神だけでなく体も分裂気味の宇宙大統領、サム・ロックウェル。

そして、銀河ヒッチハイクガイドの表紙には'DON'T PANIC'

宇宙一強い武器・・・価値観変換銃。

もっともっとたくさん、出てきて、また、この映画のパンフレットが「ガイド オブ 銀河ヒッチハイク・ガイド」になってるから映画の後になって、そうだったのか!という楽しみもありました。

この映画は数字がよく出てきます。

地球で一番賢い動物とは何か。宇宙で二番目に優秀なコンピューターはディープ・ソート。では一番は何か。

ディープ・ソートが750万年もかけて出した、「宇宙とは、生命とは・・・」の謎の答は42。

広い宇宙で一番だ、二番だって言う所からして可笑しいですね。ちなみに「42」には、実に様々な解釈があるんですね。カルト文学らしいエピソードです。

こういうバカバカしいことを凝りに凝って作って、やっぱりバカバカしいけど深かった・・・という映画は好きです。

おまけながら、私が一番好きなこの映画のキャラクターは、ランクウィルとフーク、またの名をベンジーとフランキー。とっても可愛い。

ま、一応、宇宙に出たら、タオルを持ってあわてずに。DON'T PANIC.

The Hitchiker's Guide to the Galaxy

2005年10月5日 ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズにて

(2005年:アメリカ:109分:監督 ガース・ジェニングス)

 「これから、太陽系を通る銀河バイパス工事のため、この惑星を取り壊します。工事と爆破の計画は、50年も前からたった2万光年先のケンタウルス座アルファ星の事務所の掲示板に掲げておいたのだから、それを見ない君たちが悪い。今になって驚いた振りをしてもだめだ。同情の余地もない。それでは良き一日を。」

でもって地球はどか~んと爆破であります。

この映画の原作者、ダグラス・アダムスが、脚本を手がけているだけあって、原作の毒と笑いと浅いのか深いのかよくわからない哲学に満ちている所がいいです。

映画は、地球で二番目に賢い動物(人間は一番ではない)イルカたちが、♪魚をありがと、さようなら~♪と地球脱出をはかる歌から始まって、これは原作にはないのですが、歌詞と映像がマッチしていてとても可笑しい。

これは監督自身が考えついて作詞したそうですが、アメリカ人である監督が、このイギリスの毒を実に理解して作っているから、ルーカス・フィルムがスター・ウォーズ真っ青の特撮を駆使して、美しい映像を作ってもその底にあるのは「いじわるな笑い」

モンティ・パイソンと関わりのあった原作者ですから、モンティ・パイソンが宇宙をネタにした、と考えるとわかりやすいです。

地球人で唯一、銀河に逃れることが出来たのは、ヒーローでもなんでもない、自分の家がバイパス工事の為に取り壊されるのにあわてている所だった、世界一平凡なイギリス人の男、アーサー・デント。

アーサーなんて映画の最初から最後まで、衣装はひとつ。パジャマにローブ。それで銀河ヒッチハイクの旅に出てしまう。

銀河でヒッチハイクするのに必要なものは、何か?それは、宇宙で一番のベストセラー、『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ベストセラーの理由のひとつは「値段が安いから」)とタオル。

タオルは、寒くなったら頭に巻く、いかだの帆のかわりにする、襲ってきた相手をひっぱたく・・・の他に、「精神的な安心が得られる」とかねぇ。深いですよ、意外と。

こういったバカバカしい設定が続々と出てくる割には、ひとつひとつはよくよく考えると深い意味を持っているのが、この原作が(大森望さんによると)「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」なんですね。

役者さんもイギリスのいい役者さん使っていて、鬱病ロボットマーヴィンの声がアラン・リックマン。

宇宙で第2の知性を誇るコンピューター、ディープ・ソートの声がヘレン・ミレン。

そして、○○とも言える人が、イギリス映画界のヒレツ大王ことビル・ナイ。

く~~~~~、たまんないっす。

ワイパーのついている宇宙船。

中国の陶磁器のような宇宙船、黄金の心号。

宇宙の、生命の全ての謎の答は・・・・・42。

核爆弾は鉢植えの花とマッコウクジラに変身。

水平移動して近寄ってくる、ジョン・マルコヴィッチ。

精神だけでなく体も分裂気味の宇宙大統領、サム・ロックウェル。

そして、銀河ヒッチハイクガイドの表紙には'DON'T PANIC'

宇宙一強い武器・・・価値観変換銃。

もっともっとたくさん、出てきて、また、この映画のパンフレットが「ガイド オブ 銀河ヒッチハイク・ガイド」になってるから映画の後になって、そうだったのか!という楽しみもありました。

この映画は数字がよく出てきます。

地球で一番賢い動物とは何か。宇宙で二番目に優秀なコンピューターはディープ・ソート。では一番は何か。

ディープ・ソートが750万年もかけて出した、「宇宙とは、生命とは・・・」の謎の答は42。

広い宇宙で一番だ、二番だって言う所からして可笑しいですね。ちなみに「42」には、実に様々な解釈があるんですね。カルト文学らしいエピソードです。

こういうバカバカしいことを凝りに凝って作って、やっぱりバカバカしいけど深かった・・・という映画は好きです。

おまけながら、私が一番好きなこの映画のキャラクターは、ランクウィルとフーク、またの名をベンジーとフランキー。とっても可愛い。

ま、一応、宇宙に出たら、タオルを持ってあわてずに。DON'T PANIC.

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