女吸血鬼
2005年11月22日 東京国立近代美術館フィルムセンター大ホールにて(第6回東京フィルメックス・特集上映 監督中川信夫)
(1959年:日本:78分:監督 中川信夫)
怪奇ミステリー映画であります。
昭和初期くらいの江戸川乱歩とか横溝正史とか、こういう題材好んでとりあげていて、私はそういう世界が大好きなので、この荒唐無稽さがまず好きです。
なんせ、ヴァンパイア、天知茂が、天草の乱からヴァンパイアで、天草四郎の子孫の血を求めて、ヒロイン、池内淳子をおびやかす、という素晴らしい荒唐無稽さ。
映画の冒頭はヒロインの母・・・20歳の時に謎の失踪をとげたのですが、娘が20歳になったというのに、40歳ではなく失踪当時の20歳の姿でいきなり家に戻ってくるのです。
そしてその影に、黒い帽子、黒のサングラス、黒づくめの服に白のフリルのブラウスという天知茂が出没しはじめるのでした~
ヒロインは天草四郎の子孫です。その血を求めて天知茂がじわじわと接近してくる・・・おびえるヒロイン。ヒロインを支える好青年の恋人。
そして後半は、天草に飛んでの大活劇。
いや~楽しいなぁ、荒唐無稽な世界であっても、納得感心してしまいます。地下のセットとか、本筋とは別の3百万円の隠し場所のストーリーもついてくる。
天知茂は、若いのですが、ハンサムというより、ちょっと邪気と影のあるエキセントリックな役を好演していました。同じ年に作られた『東海道四谷怪談』の伊右衛門のニヒルな悪役ぶりとちょっとかぶりますが、なんと言っても白のフリルのブラウスがよくお似合い。
いいなぁ、こういう世界。そしてラストは、大団円です。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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