スリー・タイムズ(仮題)
Three Times/最好的時光
2005年11月19日 東京国際フォーラムホールC(第6回東京フィルメックス)
(2005年:台湾:131分:監督 ホウ・シャオシェン(候孝賢)
オープニング作品/特別招待作品
第6回東京フィルメックス、オープニング作品。
今年は、オープニングは国際フォーラムになりました。それだけたくさんの人が入っていてさすが、候孝賢監督、人気があります。
前作が日本で撮った『珈琲時光』で、今回のタイトルにも時光と入っているんですね。
映画は3つの時代の台湾を舞台に、出演する役者さんは全て同じ人を使うという手法をとっています。
主演は、スー・チーとチャン・チェン。脇役の人なども各話で、色々な役を演じているのも興味深いところです。
1966年の高雄を舞台とした、プールバーですれ違う男女の淡い恋物語。色でいうと青のような。
1911年、辛亥革命時代の遊郭で、芸妓と外交官の愛情の矛盾。色でいうと赤。
現代、若いカメラマンと出会った女性の同性愛と異性との恋愛の惑い。色でいうと白?
スクリーンで観ると候孝賢監督が持っている、さりげない風景を静かに美しく撮る事に関しての独特のセンスと美学に酔いますね。
それが、いつの時代でも、それぞれの時代の美しさ、というものを強調させてみせます。
1966年のプールバー、ビリヤードをする人々の何気ないようなけだるい雰囲気。若い兵士とプールバーで働く女性の立ち姿の美しさ。
音楽は『煙が目にしみる』・・・これは監督自身の経験からきたエピソードだそうです。
また行方不明になってしまった女性を捜す時の、外の風景の移り変わり。同じような風景の連続ですが、地名の看板が次々と流れ去って行く様子。
1911年は、サイレント方式をとっていて、台詞は字幕です。ほとんどが室内で、閉じこめられた美しい芸妓、綺麗に着飾っていても自由になれない息苦しさ。
廊下から見えるほんの少しの風景の美しさと建物のランプの色の暖かさと美しさ。
現代は、車やバイクがスピードを上げて走り回る刹那的な現代風景。マンションの廊下の照明が近未来のように美しい。部屋のインテリアもとても洒落ていて、センスがいい。
自由奔放な男女の恋愛かと思うと、ヒロインは同性愛的な関係を持つルーム・メイトとの関係にも顔を曇らす。
それぞれの時代の男女は立場もキャラクターも全然違うのに、演じている人は同じという各エピソードに「恋愛夢」「自由夢」といったタイトルがつくように、夢の中で、自分が色々な状況にいるのを繰り返して見るような幻想をスクリーンで見せてくれるような美しい映画です。
私は特に1911年の古風な衣装に美しい髪型、そして立ち振る舞いといった美術の凝り方がとても好きです。
それに妾反対運動もしている外交官がよりによって妾をはなさない、自由にしない、という時代の見せ方の上手さです。
ストーリーは全く違っても3つの時代が綺麗につながっていますね。時代を描くにもこういうアプローチの仕方もあるのだなぁ、と感心しました。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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