焼けた劇場の芸術家たち

焼けた劇場の芸術家たち

Les Artistes de Theatre Brule(The Burnt Theatre)

2005年11月19日 有楽町シネカノンにて(第6回東京フィルメックス)

(2005年:フランス:85分:監督 リティ・バニュ)

コンペティション作品

中国映画で最近よく見られる「近代化の波」

それは、この映画の舞台となるカンボジアのプノンペンも同じ。

但し、巨大カジノビルは建設中なのに、となりにある劇場は圧政時に破壊されたまま放置されています。

ここで、もう、文化よりも経済復興が先、という風潮がよくわかります。

舞台を愛し、演劇を続けたい人々がこの焼け落ちた劇場で生活をしながら、舞台の稽古をしています。

今だに圧政の記憶が抜けない高齢の人々や、そんな時代を知らない若い世代などをドキュメンタリータッチで描きます。

ドキュメンタリータッチといっても、映画の中で、演技の稽古をしていてそれが、プロパガンダ的な内容だったり、かと思うと『シラノ・ド・ベルジュラック』を稽古したりと映画の中の映画、映画の中の芝居、というものも上手く配置されています。

忘れたくても忘れられない過去の傷・・・圧政という外的な暴力で虐げられた記憶・・・それが風化しつつある。

それは、ある老女が、すぐに頭痛だ、不眠だと言っては、病院に行って、山のように薬をもらってきては、また病院に行く、薬をもらう・・・を繰り返している・・・そして過去の記憶を薬で消そうとして消えない、という嘆きが出てくる所がとても印象的なエピソードになっていました。

劇場は、屋根が崩れ落ち、そんな中でも、犬がなんだかうじゃうじゃ、わんわん鳴いていて、どこかのどかな雰囲気もあります。

芝居だけでは、食べていけないから・・・と建物のコウモリをたくさんつかまえて、揚げ物、それをスープの具にするというシーン、結構、熱心に撮っているのですが、これが妙に美味しそう!なスープになっていて・・・。

学校の勉強の為、昔の人の話を聞いて歩く女の子の聡明な顔。

そして、劇団員たちが、文句、愚痴がでるとそれを素焼きの壺に「王様の耳はロバのみみ~~~」と叫んで、その壺を割るといった、ユーモラスな描写も印象に残ります。

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