ミリオンズ

ミリオンズ

Millions

2005年12月8日 渋谷シネマライズにて

(2004年:イギリス=アメリカ:98分:監督 ダニー・ボイル)

確か『リーサル・ウェポン』だったかな・・・(間違っていたらすみません)・・・最後にマフィアの大金が押収されて、黒人の刑事がそれを見つめている。紙幣が一枚、目の前にちょっと出ている・・・黒人刑事は家が貧しい、だからこれだけある現金の一枚くらい抜いてもわからないのではないだろうか・・・というシーンがありました。

しかし、その黒人刑事は、紙幣を見つめるだけで、取る事はしないのです。そこがとても印象に残っています。

さて、この映画は、あるイギリスの兄弟が、ポンド紙幣が一杯つまったバッグを拾ってしまう・・・という話です。

子供だからか、幼い弟に比べて兄はませていて、頭がいいからか、この兄弟、上手くお金を使ってしまう。

といっても幼い弟は、まだお金の価値がわかっていないから、好きな聖書に出てくるように施しを始めてしまうのです。

しかし、ユーロの切り替えでポンド紙幣は、両替するか預金しないと、ただの紙くずになってしまう・・・という事態、また、お決まりのそのお金を取った怪しい男が迫ってくる。

弟だけには、好きな聖書に出てくる聖人たちが、見えて次々と聖人たちがあらわれる。ここら辺も、ベースにあるのはキリスト教という宗教の精神なんですね。日本の子供だったら、もっと別の方向になると思うけれど、あくまで弟はイノセンス。

まぁ、なんて偉くてかわいいんでしょう・・・と優しい女の人たちは思うのでしょうか。私はそうは思いませんでした。

お金はお金。その価値を教えるのは大人の役目。それが隠し事、になってしまうと困ったことになってしまうなぁ、と。

たとえ、それが施しであっても、自分で働いたお金というものの価値がわからない怖さの方が身にしみました。

映画を見終わって、まず思い浮かんだのは『リーサル・ウェポン』の自分の家がどんなに貧しくても、目の前の一枚の紙幣をとらなかった刑事の良識ですね 

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