あらしのよるに
2006年1月2日 ヴァージンTOHOシネマズ市川コルトンプラザにて
(2005年:日本:107分:監督 杉井ギサブロー)
原作がベストセラーで、小学校の国語の教科書にも採用された、とのことですが、私は原作を読んでいません。
この映画は原作と比べると、かなりソフトになっているそうです。
大体、私はチラシなどを見て、ヤギのメイは羊だと思っていたのです。原作ファンで映画を楽しみにしていた人からしたら「物知らず!」と激怒されそうですね、どうもすみませんって誰に謝っているのかなぁ。
動物もののアニメはたくさんあります。
一番に思いつくのは、ディズニーなんですけれど、この映画全体の絵の雰囲気は、ディズニーの森のようです。
本来だったら弱肉強食の世界であるはずのオオカミのガブとヤギのメイが、あらしのよるの真っ暗な小屋で出合って、親しみを感じますが、会ってみたら・・・・
深い所考えると、オオカミとヤギという絶対に親しくならない者同士が、近づく、周りからは反対されても友情を守る・・・ということで、人間関係だとか、国の外交関係だとか、今、戦争をしている国同士とか・・・考えられることは考えられますね。
オオカミもヤギも群れを作って生きている、群れの掟がある・・・ということでは、ずばり人間のメタファーでしょう。
しかし私は、個人的にはアニメを観る時は絵や映像を楽しむ方が先かもしれません。
妙な深読みをすると、とたんに説教臭くなるでしょう・・・特に子供向けの本や映画は。そういう野暮なこと私はしたくないのですね。
なんだか国語の感想文を無理矢理かかされた事を思い出してしまったりして。
このアニメ映画では、オオカミのガブが、ふりふりと目の前を歩くヤギのメイのお尻を見て、食欲にかられる・・・という所が何度も出てくるのですが、このメイが本当にぷくぷく太って美味しそうなんで、かわいいけれど美味しそう。
オオカミの群れのボス、ギロ様の声が竹内力さんで、出た!この声、この発声、この台詞回し!っていう位、とたんにVシネ、または三池監督の世界にがらっと変わるところが、観ていて感心してしまったのですね。
あとメイの成宮寛貴の声、「えへ、わたしたち、ともだちですよね」といった台詞が男でも女でも大人でも子供でもない不思議な響きをしていて、わざとらしい台詞もギリギリセーフ。
逆にべらんめぇ調のガブの中村獅童は、本領発揮という感じでした。
絵は繊細さよりも絵本感を出しているようなちょっと平面的な所もありましたが、脚本は原作のきむらゆういちさんですが、監督の杉井ギサブローさんは、今じゃ絶対に放映できないあの『どろろ』の監督してたのね・・・という変なところに感心してしまいました。
更夜飯店
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