ベロニカは死ぬことにした

ベロニカは死ぬことにした

Veronika Decides to Die

2006年2月21日 恵比寿ガーデンシネマにて

(2005年:日本:107分:監督 堀江慶)

原作はパウロ・コエーリョの同名小説。

自殺に失敗した女性が、生きる道を見つける・・・という比較的、明解なテーマです。

主人公、トワ(真木よう子)のヒステリー演技は、力入ってますねって感じですけれど、自殺未遂すれば入院先は精神科っていうのは、私が入院していた病院の神経・精神科に自殺未遂の人がいたのでその時、知ったのですが、主人公は不思議で、不満でならない。

この主人公は、本気でというより誰かに助けてもらいたくて自殺未遂をするという厄介さを感じました。しかし、人間、そうそう簡単には死ねないのです。

退屈だから、私の世界にはなんでもあるけど、なんにもないの。う~ん。そうですか。

精神病院の様子が幻想的に見せようとした苦心の跡が見えますが、医師、市村正親、婦長、荻野目慶子、看護婦、片桐はいりっていうのが妙に幻想感ありました。特に、婦長の荻野目慶子のちょっとどっかいっちゃっているような不思議感が凄かったですね。幻想的な病院スタッフさんです。

患者の中で風吹ジュンのパニック障害というのが、説得力と迫力があって、他の人は「奇妙なサーカス」演じています、というのがちょっと半端な感じがしました。本当に苦心の跡はよくわかるのですが。

トワは、自殺は出来なかったけれど、自殺未遂の影響で心臓に負担がかかり、命短い、と宣告されます。それで初めて、生きよう、という気持ちになる・・・やはり風吹ジュンと一緒に映画館に行く・・・というあたりが一番良かったです。

映画館には、『疾走』『市川雷蔵上映』などのポスターが貼ってあって、思わずシネスイッチ銀座か、ここは?などと余計な事を考えてしまいました。

主役の真木よう子は、正に不機嫌で気むずかしい役を体当たりで演じていました。相手役のイ・ワンという韓国の俳優さんはテレビドラマで人気だそうで、観客はその追っかけらしい方がちらほらと。恐るべし、テレビの力。

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