自殺サークル

自殺サークル

2006年2月19日 ビデオ

(2002年:日本:99分:監督 園子温)

『奇妙なサーカス』が強烈だったので園子温監督のこの映画を借りて観ました。

やっぱり強烈で、迷宮のような世界ですね。

冒頭、新宿駅のホームから54人の女子高生が一斉に線路に飛び込み自殺をする、というのが強烈。(このロケはどうやったのだろう、なんて考えてしまいました)

そして自殺者はどんどん増え、最初は事故扱いだった警察(石橋凌、永瀬正敏、麿赤児)が事件として、捜査に乗り出すものの、誰が自殺をそそのかしているのか、どうやっているのか・・・・不気味なインターネットのサイト、そのサイトを警察に教える女、ジェネシスという猟奇趣味の男、鍵を握っているようなアイドル・グループ、犯人によるものらしい不気味なスポーツバッグ、集団自殺の予告電話・・・・などなどが混然としてくる。その中で、正気を保とうとしながらも翻弄されていく警察です。

死とは何か・・・ということよりも、「自殺」というものをゲームのように描く事で、ひとつの迷宮世界を作り上げている・・・というミステリ・ホラー。

一般的なホラーのように、呪いだとか祟りだとか怨念だとか、そういう物は全く出さずに不可解な世界を展開してみせます。

犯人なのか・・・と思わせるジェネシスという男がROLLYで、なりきりぶりは相変らずで、歌まで歌ってしまう。しかし、怖いのは、妙にしつこく流れる少女アイドル・グループの歌の方だったりします。

何故、誰が、どこで・・・・そんな明瞭な事はこの世界にはなく、ひたすら混然としている世界というのが良かったですね。

また、翻弄される警察で、永瀬正敏が、理性でもって「まともな」人間を演じていたのが印象的。

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