プロデューサーズ

プロデューサーズ

The Producers

2006年3月20日 有楽町 よみうりホールにて

(2005年:アメリカ:134分:監督 スーザン・ストローマン)

私はこの映画は、もとはブロードウェイ・ミュージカルだと思っていたのですが、その前にメル・ブルックス監督の初監督作品であり、この映画は映画のリメイク、といってもいいということを初めて知りました。

映画始まる時、監督やキャストの名前は出てこないでいきなり映画は始まりますが、後になって製作・脚本・作詞作曲 メル・ブルックス・・・と出て、どひゃ~~~って納得する部分が多かったのです。後から知る驚き。

そう言われてみると、この映画のひねくれた部分というのが納得いきます。

ヒットするよりも、大コケして一日で上映中止になったほうが儲かるのだ、と知った悪名高きブロードウェイ・ミュージカル・プロデューサーが奔走して集める最低の脚本、最低の演出家、最低の役者・・・。

そして資金は老婆たちから巻き上げる。

そして白羽の矢が立ったのは『春の日のヒットラー』というヒトラー礼賛脚本。しかも脚本は素人のネオ・ナチ男(ウィル・フェレル)

そして突然事務所に押しかけるスウェーデンの美女、ウーラ(ユマ・サーマン)

ジーン・ケリーやフレッド・アステアが優雅にエレガントに夢のミュージカルをみせてくれた裏を行く、ひねくれ物語。

そしてちりばめられている人種差別やゲイへの差別、金への妄執。こういう皮肉り方が出来るのはメル・ブルックスとウディ・アレンくらいなのではないでしょうか・・・と同時に、日本人には今ひとつピンとこない笑いという壁も感じます。

馬鹿馬鹿しいプロデューサーの映画のプロデュースをする、メル・ブルックス監督って凄いなぁ。

でも話を追って、次々と出てくる人々の面白可笑しい仕草や皮肉な歌や突然ゴーージャスにミュージカルしちゃう部分は観ていて飽きずに楽しめるのです。ただし、『オペラ座の怪人』や『シカゴ』を引き合いに出すのはどうかなぁ、確かにミュージカルですけれど、基本的には辛辣な風刺コメディなんですね。

ネオ・ナチ男を演じたウィル・フェレルと怪しげな金髪美女ウーラを演じたユマ・サーマンの怪演といいますか、悪のりといいますか・・・迷演技といいますか・・・なりきりぶりに呆気にとられてしまった、というのが本音。

この映画は、クレジットタイトルが終わってもお楽しみがあるから、早々に席を立たない方がいいと思います。

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