タイフーン

タイフーン

Typhoon

2006年4月20日 渋谷TOEIにて

(2005年:韓国:125分:監督 クァク・キョンテク)

社会問題をアクション娯楽映画に仕立て上げる、という事に感心しました。

チャン・ドンゴン主演のスター映画であり、韓国だけでなく、ロシア、タイ、中国・・・と様々なロケを敢行し、壮大なセットでアクションを盛り上げる・・・という見せ場もりもり・・・ですが、その根にあるのは、脱北者問題。

シンという海賊の男、チャン・ドンゴンは脱北者ですが、姉をのぞいて家族は無念の死をとげる。生き延びた少年はアジア、ロシアを股にかける海賊となる。

核ミサイルの誘導装置を積んだ貨物船を強奪するシン。そしてそれの奪回の極秘ミッションを受けたのが、海軍大尉のカン(イ・ソンジェ)という訳でこの2人の追いかけあい、すれ違い・・・・という芯をどんっと太く描いています。

確かにシンは脱北者の生き残りで、悲劇の主人公なのですが、深刻なシーンばかりの重い映画ですか?というと展開がもの凄くスピーディで目が離せない状態になり、アクションや特撮の壮大さ、銃撃戦の音がずんずん響いてくる音響の素晴らしさ・・・また、シンとカンという「同じ韓国人なのに違う国の人」がどう接していくのか・・・という人間心理ドラマにもなっているという大変贅沢な映画でした。

娯楽といってもただ、無節操にはしゃぐばかりが娯楽ではなく、きちんと考え、作られた娯楽というものが堪能できる映画。

イ・ソンジェは、過去に色々な役をこなしていましたが、今回は海軍大尉ということで、体を鍛え訓練をして・・・肉体改造までしているという・・・『ラスト・プレゼント』で売れないコメディアンやってたなんて、ちょっと考えられないカメレオンぶり、というか役者根性が好きです。 

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