陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2006年4月19日 銀座 ヤマハホールにて

(2006年:日本:91分:監督 前田哲)

人の嘘を見抜く事が出来る男(大沢たかお)、自動車運転の天才で時計を見なくても時間が正確に測れる体内時計の持ち主の女(鈴木京香)、演説大好き、演説で人を煙にまく事が大好きな男(佐藤浩市)、スリの天才の大学生(松田翔太)・・・それがひょんな事からであってチームを組んで、銀行強盗をする話なのですが、冒頭、とんとん拍子で銀行強盗は成功してしまう。

そこら辺までが、特撮を使った、戯画的な映像を意識していて、テンポはいいけれど、どこか空回り?なんて思ってしまいました。

しかし、成功して帰る途中で、現金は何者かに奪われてしまう・・・・そこからがこの映画の面白い所です。

どうして計画がばれたのか、誰が金を横取りしたのか、さらに謎の人物の裏をかいて、また銀行強盗をしようと作戦を練るのですが・・・

裏をかくつもりが、その裏を読まれ、しかし、実はそこまで読んでいたんだよ~と思わせるかと思うと、意外な展開になる。

裏の裏の裏のまた裏を読む・・・心理合戦のような所が一番面白かったですね。

4人はチームを組むけれど、いまひとつお互いを信頼していないような所もある。

普段は公務員の大沢たかおが私服になると地味派手な格好をするのがよかったのですが、よくよく見ると公務員の時のワイシャツも光沢のある普通のサラリーマンのワイシャツではなかったりします。

他のメンバーもどちらかというとありえない派手さ、を持っているのですが、一番着こなしていたのは松田翔太君だと思いますよ。

さて、鈴木京香の元・夫の大倉孝二が出てきて、どうやらこいつが、何か鍵を握っているらしいと無理矢理銀行強盗に加えてしまうあたりがいいです。

陰湿なムードが全くなく、どこかけろりとしていて、銀行強盗もロマンだ、なんていう所は『クリスマス・クリスマス』の「どうでもいいことをファンタジーにして遊ぶ大人達」という感じがしました。大倉孝二も古田新太さんもキャストもかぶっているし。

私は後半からラストにかけての裏のかきあい、というのが先が読めなくて良かったですね。へぇ~なんて思っている内にサクサクと映画は進む。大真面目な事は、極力避けているような作り手の意識が脚本からも感じられます。

サクサクっと楽しめるコン・ゲーム映画。 

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