トム・ヤン・クン!

トム・ヤン・クン!

TOM-YUM-GOONG

2006年4月11日 有楽町 よみうりホールにて(試写会)

(2005年:タイ:110分:監督 プラッチャー・ピンゲーオ)

もうね、前作『マッハ!!!!』で儲かったお金をこの映画に全部つぎこんだそうです。

私はこういう話に感動しますね。本当に「映画を作りたい!」って熱意が、映画全体を貫いていますから。

映画はハリウッドだけではない、カンフー、アクションは香港だけではない!という事をよ~くわからせてくれた『マッハ!!!!!』が私は大好きですから、この映画も大好きです。

『マッハ!!!!』が仏像を奪回する話なら、今回はゾウはゾウでも象をオーストラリアまで奪回に行くというスケールアップ。

もちろん、スタントマン出身のトニー・ジャー君のアクションが凄いと言えるのですが、何よりも、象と一緒にいて、こんなに絵になる青年はいるだろうか・・・という位、もう絵になるトニー・ジャー君と子象のコーン。(実際、トニー・ジャー君は象を飼っているらしい)

映画の出だしなんか、もう『子象物語』ですよ。本当にトニー・ジャー君は象が好きなのねぇ~~~。

しかし、悪い人に象を誘拐されてからのトニー・ジャー君のアクションはこれでもか、これでもか、とキレよくバリバリ。

私は大喜びでもありますが、おおおおってびっくりもしました。もう、こんなこと出来る人、世の中にいたのか?ってくらい感心してしまったのです。アクションのシチュエーションなどは、ジャッキー・チェンの映画と同じというか、リスペクトしているというか。

アクションはムエタイが基本で、相手を倒すのも、関節技を使いまくります。相手の腕をねじりあげて、関節ぎゅっ。はい、次!って感じですがオーストラリアになると、バイクやら車やら出てきますね。そこをまた、激激と(って表現がいいかも)倒していくトニー・ジャー君。

本当にアクションを見せる、あの手この手を使って見せる。

タイトルになった「トム・ヤン・クン」って、わぁ、日本の歌『上を向いて歩こう』が『スキヤキ』になってしまったようなもの?と思ってしまったのですが、オーストラリアにある、タイ料理店の名前でした。

ありそうですよね、そういう店。

このトム・ヤン・クンという店があやしいマフィアの根城になっていて、乗り込むのですが、ここからが、トニー・ジャー君の戦いを1シーン、1カットで撮っています。一階から、相手を倒しながら次々と階段を登っていくのを、カメラが一緒に動く。

ここは、『ブレイキング・ニュース』の冒頭部分や、『キル・ビル』の若葉屋のシーンを思い出す計算のよく出来たアクションシーンです。

名アクションシーンのひとつに入れたいですね。

こういう映画では、倒される相手の人もアクションできないと成立しないのですが、皆さん凄いです。

特に、ジョニーというアジア系のヤクザのアクションのキレの良さも見逃せません。あのすっとまっすぐにのびた足。う~ん、いいなぁ。

お話は単純そうに見えてもなかなか、悪役があちこちから出てきて、いつになったら、トニー・ジャー君はかわいい子象のコーンに出会えるのか・・・なんて気の持たせ方、上手いですよ。コーンちゃんまで投げ出されるのは、げっと思いましたが、元気に復活してくれて、思わず、安堵のため息・・・。

タイに行った時、王立公園で、王室のシンボルステッカーというのを買いましたが、このデザインが白い象でした。

タイでは象は、王国の動物なんです。そんなタイの文化も紹介してくれるという世界を目指したアクション映画ですね。

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