我が人生最悪の時

我が人生最悪の時

2006年5月5日 ビデオ

(1994年:日本:92分:監督 林海象)

私は私立探偵 濱マイクが大好きです。

2006年4月、5月とテレビシリーズ版が劇場公開されて、そのマイク熱、再発。

映画のビデオも買ったし、主演の永瀬正敏の主題歌が入ったCD、プロモーションビデオ・・・色々と購入してしまったのです。

私は、あまり横浜にそれほど思い入れも憧れもないのですが、この黄金町というマイクの周辺の横浜というのは大好き。

いかにも横浜ですよ、という名所なんて出てこない。どちらかというと汚らしい下町のような街の風景しか出ない。

港といっても観光地ではく、貨物を積む為の港。私、横浜なんですよ、いいでしょう~なんて気取りが全くないのが好きです。

これは3部作の一作目ですが、マイクの本当の人間関係というのは第2作目からだと思います。

私立探偵としてのマイクの1エピソードの紹介のような、プロローグのような映画ですが、全編モノクロでハードボイルド。

テレビ版と違って、仕事の時はスーツに身を固め、横浜日劇の映画館の2階の映写室の裏で、事務所を構えています。

事務所を訪ねる為には、なにはともあれ、映画のお金を払わなければならない・・・とにかく映画代払うのが決まりだから客から金をとる受付が、千石規子さんだったりします。(テレビ版では井川遙)「あれ~お客さん、映画観ていかないの~?あ~あ、人間、映画観る余裕がなくちゃ、お終いだねぇ」

また、マイクの情報屋も、鑑別所仲間の星野(南原清隆)であり、「はまく~ん」「ほしのくん、やるの?やらないの?」という掛合いが楽しい。

昔は悪だったという、「野良犬のような目」になるギラギラした所が瞬間的に出る永瀬正敏、今こうしてみると(当然ながら)若い。

まだまだ若造というとらえ方で、テレビ版との大きな違いはここですね。テレビ版では、もう探偵家業が身に付いているプロなのですが、映画版ではまだまだ、下手すると暴走しそうなあやうさ、これがよかったです。

台湾ヤクザと横浜のヤクザの抗争に巻き込まれてしまうマイク。ヤクザが塚本晋也監督だったりして、殴り合いの時はお互い本当に殴っていて、足フラフラしてます。そこら辺のハードボイルドさが良いです。

2作目以降になると、母の存在など出てきて、ちょっと感傷的な部分も出てくるのですが、この1作目はガツンとハードボイルド、これがよろしいです。

データ的には、この映画の助監督は行定勲と萩生田宏治。美術監修は木村威夫・・・と今回、ビデオで何年ぶりかで再見して、びっくり、思わず、おおおおって声を出してしまう発見でした。

また、単館とはいえ、14週のロングラン上映された映画であり、今、一本の映画をこれだけ長く上映するということは滅多にないことですね。

人が入らなければ、また、ヒットしたとなれば、すぐにスケジュール変更が当たり前の今、観るとロングランするだけの底力はあるとしみじみ思います。 

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