青春漫画~僕らの恋愛シナリオ~

青春漫画~僕らの恋愛シナリオ~

Almost Love

2006年9月27日 シネマート六本木にて

(2006年:韓国:111分:監督 イ・ハン)

 幼なじみの2人が本当にお互いを大切に思っているとわかるまでのラブ・ストーリー。

全体を貫く可愛らしさがいいです。

この映画では、「映画」というものがよく出てきます。

映画の冒頭で、リュミエール兄弟が映画を発明し、そして、香港ではジャッキー・チェンが誕生する・・・といった事から始まるということからも映画の中の映画という使い方が上手いです。

 ジファン(クォン・サンウ)とダルレ(キム・ハヌル)は、小学生の時からの幼なじみ。

ジファンはジャッキー・チェンに憧れ、テコンドーを習い、アクション俳優を目指し、ヒーローものの役者や、映画のアクションスタントのアルバイトなどをしているし、ダルレは映画女優になりたくて、演劇科に通う大学生。

 この2人が、けんけんけんけん、ケンカするというシーンがあるのですが、なんでも、口に出してからかうジファンが、凄く憎たらしい時は憎たらしい。お互い、恋人がいるけれど、ジファンとダルレは、なんだかんだいいながらも、助け合い、励まし合う仲なんです。

べたべたしていないこの2人の間にある微妙な距離の出し方など上手いです。

 お互いの恋人というのは優しかったり綺麗だったりするのですけれど、いざ、と困った時に助ける事が出来るのは実は気のおけない幼なじみの方である・・・というハプニングの流れが、すんなりしていて可愛いです。

 今年30歳のクォン・サンウ、前作『美しき野獣』では、実年齢よりも高い役をやっていましたが、今回は逆に10歳くらい下の役ですけれど、全く違和感なし。くるくると変わる表情なんか、ただの「涙の王子様」ではありませんね。

 また、子供時代のジファンを演じるのが『奇跡の夏』の子役だったパク・チビンで、これがまた、小憎らしいいたずらっ子なんです。

そういう可愛い情景をテンポよく描きながらも、本当に必要な人は誰?という人捜しの映画です。

ジファンは、アクション俳優をあきらめなければならない・・・というのは、実際、韓国の映画『アウトドライブ』で事故でアクションができなくなった俳優さんをモデルにしているそうです。

そして2人は、それぞれ違った映画の世界へと入っていく。「アクション映画だけが、いい映画でないとやっと気がついた」というジファンの台詞がとても好きです。 

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