トカゲ飛んだ?

トカゲ飛んだ?

2006年10月14日 流山生涯学習センターにて(東葛国際映画祭)

(2006年:日本:51分:監督 磯村一路)

 これは「PETBOX」という動物をモチーフにした中篇映画6編の内の一本。

動物はカナヘビというトカゲの一種。

 物語は、ある女子高校生、珠子(東亜優)が、先輩、民生(石田法嗣)に憧れているけれど、民生先輩は、生物部でカナヘビを飼い、以前いた水泳部の顧問の若い女の先生の事が好きみたい・・・・・カナヘビを楽しそうに見て話している2人を見た珠子はこっそりカナヘビを自分の家の部屋に連れてきて、いなくなったカナヘビを探す先輩に近づこうとする・・・

 女の子のちょっとした嫉妬、大人からしたら大した事ではないようなちょっとした憧れの変形の嫉妬を丁寧に短い時間の中で描いた小品。

カナヘビ、見ましたよ、と言って先輩を独り占めしようという、これもちょっとした意地悪。

女の子というのは意地悪です。特に10代くらいの女の子は、可愛い意地悪の仕方を知っている。そしていつしか忘れてしまうのではないかと思いました。

ちょっと残酷とも思えるぎりぎりの可愛らしい意地悪です。

映像は、自転車の後ろに先輩を乗せてよろよろ走る珠子の姿、草原の緑の中を泳ぐようにしてカナヘビを探す2人・・・緑だけでなく、ちょっと紅葉が入ったような、空気が透明なような雰囲気がいいです。

 恐竜の話を聞いて、トカゲの先祖は恐竜だったのか・・・・と聞くと、恐竜は鳥に進化したのだと少女は知る。

伝わらない想い、思い通りにならない恋・・・まるで飛べないトカゲのようといったモチーフの使い方がささやかだけれども可愛い映画です。

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