相棒 シティ・オブ・バイオレンス

相棒 シティ・オブ・バイオレンス

Jiak-pae/The City of Violence

2006年11月23日 有楽町 朝日ホールにて(第7回東京フィルメックス)

(2006年:韓国:92分:監督 リュ・スンワン)

特別招待作品

 前作、『クライング・フィスト』で、手持ちカメラを駆使してドキュメンタリータッチで社会派映画を撮ったリュ・スンワン監督が、今度は主演も兼ねて、わかりやすい娯楽アクションムービーを作りました。

こういう映画は92分くらいがいいです。あまり長々やるものではないです。

 ストーリーは極めてシンプルにして、幼なじみを殺された男2人が、その敵討ちに行く、というもの。

アクションはワイヤーを使わず、リアルに徹していますが、結構、設定とか強引で、笑ってしまうくらい強引です。

かつては仲が良かった男達も今は、バラバラで、ソウルに出て刑事になったテス(チョン・ドゥホン)は、幼なじみワンジェの葬儀に出る為、田舎の街、オンソンに戻ってくる。

誰がワンジュを殺したのか・・・は、すぐにわかるのですが、昔はのどかだったオンソンの街は、今は不良というか高校生たちが暴れ回っている街。そして、カジノ建設をめぐる土地の利権の奪い合い。

そして今はチンピラになっているソックァン(リュ・スンワン)と共に、諸悪の根源を絶つ!のであります。

 アクションは銃を使わず、刃物アクションで通しています。だから血、だらだら、ぼとぼと。

ワイヤーは使わないけれど、基本にあるのは香港のカンフーアクションかもしれないので、2人しかいないのに、100人くらいの若者を相手にしちゃうとか・・・そして、街の電線に飛びつき、電線が派手な花火を上げる・・・なんて所は、美術的に優れていますね。びっくりして、笑ってしまったのですが。こういう事に妙に凝る所が好きですね。

そして乗り込んでいく屋敷。障子がどこまでも続く中、2人だけでどんどん、無数の人をばったばったと倒していく。

あの手この手のアクションの連続。この屋敷の提灯や照明なども美しくてただのバイオレンスを見せるだけ、では終わらせていません。

 悪役のヤクザのボスには、美男美女のボディガードが4人ついています。

これがちょっと漫画のようで、きっとひとりひとり、殺波狼(今私が考えつきました)とか得意技持ってるんだろうなぁ。

バイオレンス度が高いといっても、これはショー的なアクション・バイオレンス映画です。

敵討ちの為に、単身乗り込んでいくというのは、香港アクションものなんかで見たパターンです。

リュ・スンワン監督は、今まで弟さんを主役に映画を作ってきたのですが、とうとう兄登場です。

映画祭で見る監督とスクリーンでチンピラやって飛び跳ねているリュ・スンワンが、同じ人に見えないというのが、映画マジックです。

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