世界最速のインディアン
The World's Fastest Indian
2007年1月25日 九段会館にて(試写会)
(2005年:ニュージーランド・アメリカ:127分:監督 ロジャー・ドナルドソン)
バート・マンローという人はニュージーランドでは有名人なんだそうです。
それもそのはず、1000cc以下流線型バイクの世界最速記録保持者であって、最初にレースに出たとき63歳。
そしてその記録は今だに破られていないそうです。
私はバイク映画が好きですね。車よりも乗っている人がくっきり見えるスリリングなバイクの方がかっこいいと思ったりします。
しかし、この映画ではもう年で、心臓が弱り、前立腺肥大で・・・もう、老人と言われても仕方ないバート・マンローという人をアンソニー・ホプキンスが、いかにも体、重たいです、という感じで出ているのがいいです。
誰もが本当に、大丈夫か?と思うのはバート・マンローだけでなく、「インディアン・スカウト」というバイクも同じ。
1920年代に購入したバイクに改造を加え、部品は買うのでなく自分で作り、コルク栓なんか堂々と使ってしまって時速300キロですよ。
アメリカ、ユタ州ソルトレイクシティの塩平原という、もうえんえんと白い平野が続く所で行われるレースにニュージーランドから、資金を作り、1人で旅をして行くのです。
しかし、このバート・マンローという人は、とてももてるんです。男からも女からも、子供からも、ゲイからも好かれる、ひとなつっこさがあります。誰かと会う時に必ず、自分から「バート・マンローです」と握手を求めて、話かける。
しかし、過去の事、家庭や家族やそれまでの仕事の事などは一切映画では出しません。
それでも、ひとなつっこい老人というのは、色々あったんだなぁ、と思わせるものがあってとても気持いい人です。
アメリカに行けば、びっくりすること、ハプニングばかりですが、それでもめげない。
塩平原でレースをするって発想自体もすごいのですが、話は1960年代でちらっとベトナム戦争の最中だという事がわかるのですが、それでもレースに出るのは、メカニックを揃えていたり、いかにも(見た目は)速そうなバイクで乗るのも若者ばかり。
「地球の裏側からやってきた」老人と、古い手作りバイク。それがどんな速さを出すのか・・・というのもありますが、バートが、バイクが好きで好きでたまらない・・・でも、人つきあいも上手いというお人柄にも大きなスポットがあたっているスムーズさも感じます。
いつまでも若いのがいい、というよりも、年をとったからこそ出来るんだよ、という底に流れているものがいいです。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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