墨攻
A Battle of Wits
2007年2月11日 TOHOシネマズ市川コルトンプラザにて
(2006年:韓国=中国=日本=香港:133分:監督 ジェイコブ・C・L・チャン)
原作は日本の漫画、主演:香港のアンディ・ラウ、韓国のアン・ソンギ、監督 香港のジェイコブ・C・L・チャン、音楽 日本の川井憲次・・・というアジアン・プロジェクト大作。
昔だったらこういうアジア各国が集まって・・・という映画はあまりなかったと思うのですが、もともとヨーロッパ映画などは、たくさんの国が出資しあって映画を作るのは、めずらしくない事なので、大変だとは思うけれど、いいことだと思います。
時代は春秋戦国時代の中国で、趙の国と燕の国にはさまれた小国、梁の国が舞台です。
趙の国を攻める為には、国境の小国がまっさきに攻められるのは必至。そこで、力や人力では劣る梁の国は、墨家と呼ばれる策士を招く。
革離(アンディ・ラウ)がやってくる訳で、梁の国は革離の作戦で、ねばるけれど・・・・
もうロケ壮大、音楽雄大、大俳優共演、セットも大きく撮影も大胆、馬がたくさん出てくるのが迫力・・・で、スクリーンで音響ともに楽しみたい一本です。
墨家は攻めず、守る・・・ということを優先させますが、どうしても争いは避けられない。
そして、すぐに陥落する、と思われた梁の国がなかなかしぶとく抗戦してくると、趙の国では焦りが見え始める・・・けれど、安心してしまった梁の国にも亀裂が・・・というシビアな人間模様も出てきます。
アンディ・ラウは、今回はシリアス路線です。さすが明星、馬を乗りこなし、策を練り・・・しかも質素で潔白な人物である、というのが嫌味にならないです。
アンディ・ラウは横顔を映すととても理知的に見えるのがよくわかっている撮影。また、アンディ・ラウの手が大きくて、綺麗な手をしていて無骨な戦士ではない、という知性の出し方がスムーズ。
また、趙の国の大将を演じたアン・ソンギも、小柄ながら出す迫力は大したものだなぁ、と思いますね。
墨家が来た、と知ったアン・ソンギが、アンディ・ラウを試す為に、呼び出して丘の上で囲碁をする・・・なんて、キリキリしてなくていいですね。
そして、囲碁で、アン・ソンギは、む。こやつ出来るな・・・と悟るのです。そのあたりの雰囲気がいいですね。
しかし、戦乱の時代というのは哀しい結果になるしかないのを、どうにかしようとしても、悲劇は免れない。
そんな悲劇性の出し方もいいです。
砂漠の中にあるような城なのですが、どばーっと水が噴出する・・・なんて所は、こういう映画のお約束のようなものです。
今でも中国戦乱もの・・・『三国志』などは、あらゆるメディアで人気です。
そこには、戦うという事もあると思うのですが、策を弄するという知的な魅力もあるからだと思います。
そういうところに、焦点をあてているのがただの戦いものにしていない要素かもしれません。
更夜飯店
過去持っていたホームページを移行中。 映画について書いています。
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